2013年09月06日

引きつけるのは、「まだ終わっていない」という感覚(ガッチャマン批評10含む)

何故我々は、物語を最後まで見るのか。
それは、「まだこの話が終わっていない」からである。
今この語りが中断したら、どう終わるかが気になるからこそ、
我々は席を立たずに、最後まで物語の行く末を、固唾を飲んで見守る。
テレビや連続もの、小説は、少し楽である。
区切り(CM前やその話のラスト、章の終り)に、「次どうなる?」というヒキで終われるからだ。

映画は、一度も中断せずに最後まで見る娯楽である。
途中の退屈とは、この話の終わりに興味が持てなくなった、気にならなくなった、ということだ。
この「未解決で引きつけること」を、サスペンド(宙ぶらりん)という。
サスペンス、とは宙ぶらりんのハラハラのことが原義である。
何も殺人やトリックだけがサスペンドではない。
おはなしの「行く末に没入する」だけの要素は、すべてサスペンドだ。

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posted by おおおかとしひこ at 16:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする