2014年03月24日

マクガフィンの成功と失敗の間

マクガフィンとは、とくに映画脚本で使われる専門用語だ。
ヒッチコックが得意だったので有名になった。

「物語上非常に重要なものと思わせる小道具。
実はその中身はなんでもいい。
例えばスパイがマイクロフィルムを奪いあう話では、
マイクロフィルムがマクガフィンだ。
奪いあう駆け引きが物語の重要な部分で、
マイクロフィルムの内容はなんでもよい」

時代劇で奪いあう巻物、青い鳥、
「ゴドーを待ちながら」のゴドー、「霧島、部活辞めるってよ」の霧島は、
マクガフィンだ。

マクガフィンは触媒に似ている。
化学反応を起こさせる役目をしながら、それ自体は変化しない。
変化する側に注目と主題がある。

続きを読む
posted by おおおかとしひこ at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「エンタメ」の化けの皮を剥がしてみる

いつの頃からか、映画とはエンターテイメントである、
という言葉が巾を効かせ、
「内容の薄さを誤魔化す言葉」として誤用され続けている。
誤用といっても、おそらく意図的な誘導である。

映画は間違いなくエンターテイメント(娯楽)である。
だが、もう少し言葉を足すと、
「主人公の人生の一断面を見る娯楽」だ。
人生の一段面、という娯楽になっていないレベルの低い脚本を、
エンタメという一見キャッチーな言葉で誤魔化しているのだ。

続きを読む
posted by おおおかとしひこ at 17:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする