2014年06月14日

ドラマとは葛藤ではない、もめごとだ

「ドラマとは葛藤である」は誤訳だ、とすでに書いた。
conflictを、我々書き手にただしく伝えていない誤訳だ。

最近意図的に、「もめごと」という訳にしている。
コンフリクトとは、複数の意志や目的がばらばらで、
それぞれが勝手に行動したり、説得したり、意見を統一させたり、決裂したりすることだ。
それを、日本語では葛藤とはいわない。
「葛藤する」とは心の中であれかこれかとジレンマに落ち入り悩むことを言う。

それは、「もめごと」と訳すべきだろう。

対立、衝突、立場の違い、因縁、確執、膠着など、
文脈に応じて使い分けるべきだ、とも僕は書いた。

おはなしとは、主人公が事件を解決することだ。
その過程でもめごとが起こる。
(もめるから、主人公は悩んだり、決断したり、葛藤したりする)
それを解消することと、事件の解決が同時に行われることがおはなしである。
posted by おおおかとしひこ at 16:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

知的体力

知性にも体力がある。
文章を書かない人には、なんのこっちゃと思われるかもしれない。

知的体力とは、
「冴えた頭をどれだけ長い間維持できるか」
という能力だ。

ためしに、原稿用紙何枚くらいまで、
体験談でも思うことでも創作でも題材はなんでもよい、
「自由に書け」という作文が書けるだろうか。

10枚ぐらいなら、下書きなしでもすぐ書ける。
最低、脚本を書くにはそれぐらいの基礎体力は必要だ。

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posted by おおおかとしひこ at 12:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする