2014年09月07日

「イン・ザ・ヒーロー」の裏切り

途中までずっと泣いていた。
唐沢は死ぬんだろう。そのアクションで。
我々は彼の勇姿を目に焼き付け、彼のやったことを継いで、
より発展させることが使命だ。
それが彼と生きたことだからだ。
そう予感していたからだ。
物語のクライマックス、本番がはじまるまでは最高傑作とまでは言わないが、
世に残る名作の予感がしていた。
スタンディングオベーションの準備はとうに出来ていた。

しかし。しかし。しかし。
その大一番、まさにその一点、一番やっちゃいかんことをした。
その瞬間、映画の魔法は解け、
この映画は唾棄すべきものへ180度転落した。

(以下、重大なネタバレ)

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posted by おおおかとしひこ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クリエイターの条件

クリエイティブの反対語はイミテイティブであることは、
辞書にも載っている。
過去にそれは議論し、ペプシ桃太郎もこの一点で批判の対象とした。

最近、平凡なアイデアを、変わった手法でやるものが増えた。
その変わった手法は「○○のパクり」であることが殆どだ。
元ネタを知らないと思って、堂々と手法をパクり、
平凡な内容を格好のついたものに仕立てている。
そんなやつらは、イミテイターと名乗るとよい。

クリエイターとは、
アイデアを発明し、非凡なものをつくり、
手法そのものをも発明する人のことだ。

手法をパクるのは、厳密には著作権違反ではない。
しかし、その糞作品が、手法だけを評価され、
内容がダメな以上、その手法がアイデンティティーであり、
それがパクりである以上、クリエイターとして一番いけないことをしていると自覚するべきだ。
特にCMは、今イミテイターの巣窟である。

イミテイターは死ね。クリエイターの邪魔をするな。
イミテイターを殺すのは、パクり元を指摘することだ。
クリエイターを殺すのはもっと簡単で、詰まらないと言うことだ。
殺すほうがより難しいやつらが、生き延びているのだ。腹立つ。
posted by おおおかとしひこ at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「流れ」をちゃんとつくる方法

ストーリーにおける、
流れとか、勢いとか、グルーヴとか、
目に見えないが、たしかにあるものを、
言葉で説明することは難しい。

しかし、詰まらないストーリーは必ず流れが停滞し、
面白くて夢中になるストーリーは必ず流れがいい。
そして、
書いていて詰まらなくなってくるストーリーは、
必ず流れが悪くなってくる。
(そしてついに、流れが止まり、書くということをやめてしまう)

ストーリーにおける流れとは何だろう。
弱くなった流れを再び勢いよくさせるには、どうすればいいだろう。

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posted by おおおかとしひこ at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

脚本が書けないとき(形式と内容2)

途中で書けなくなることはよくある。
しかしそれは二種類に分かれる。
形式と内容だ。つまり、
この内容を脚本形式でどう現せばいいのか分からないときと、
何を書くか分からないときだ。

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posted by おおおかとしひこ at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

形式と内容

何でも若いうちは、テクニックを知りたがる。
その形式をマスターしさえすれば、
名作が出来ると思っている。

それは勘違いであることは、
テクニックの形式を一通りマスターしたあとにやってくる。

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posted by おおおかとしひこ at 01:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする