目立つところを研究するな。目立たないところに注目しろ。
何故目立たないところに「引っかかることなく」、
目立つところに集中できたのか。そのからくりを見よう。
うまい名台詞を目立たせるための、目立たない台詞を見よう。
どんでん返しを目立たせるための、それまでの地味な展開を見よう。
すごい芝居を目立たせるための、目立たない地味な芝居を見よう。
何故それらは目立たずに、スルッと身体に入ってしまっていたのか?
何故ただ目立つものだけが残るようになっていたのか?
そこに技術が使われているからだ。
引っかからせるのなんて簡単だ。
引っかからずにスルッと入るところに、ほんとうの技術があるのだ。
料理の味と同じだ。
金箔を振るのは技術ではない。
気づいたら口の中でなくなっている、
なんの引っかかりもない美味い出汁のようなものこそが、
ほんとうに鍛錬の必要な、ほんとうの技術だ。
あなたはそれを、何の抵抗もなくスルッと入るようなものを、
作れるようにならなければならない。
上手い伏線とかね。