2015年03月18日

リライトのギャラ

「脚本 ギャラ 書き直しの度に」
という検索ワードでたどり着いた方がいたようで。
ハリウッドは脚本家組合がしっかりしてるので、
規定通り貰えると思います。
日本はどんぶりなので、貰えません。

日本は「期間雇い賃」で、
ハリウッドは「行程別払い」です。

日本人が改訂の人件費を貰うには、
「特急料金」とか「作業が最初言われたより多かったから」とかを理由に、
事後の精算時に交渉になるでしょうね。
意外と効くのは「これを改訂することで、別の仕事にも迷惑かけちゃって」
などの他の人を出すやり方です。

「流石にここからはギャラ積んでくださいよ」と、
途中で交渉するには、プロデューサーとの人間関係が必要です。
「あっそう。じゃ安いやつに頼むからもういいや」と、
日本人は簡単に言うからです。
しかも「完成まで付き合わなかったから、ギャラはなしでいいよね?」
と平気で言うものです。
それこそ、そういう人と最後まで付き合わないほうがいいかも知れません。

逆にこういうことが横行したから、
ハリウッドでは、共産主義が組合を作って労働者の権利を守ったんですね。
こういうところは共産主義のいいところです。
その後赤狩りとかあったんですけど、
映画産業の組合は、きちんとしてると思います。

逆に言うと、日本はフリーランスには何も保証しませんね。
組織に守ってもらうか、フリーで稼ぐだけ稼いで売り抜けるか。
脚本家は基本フリーだから、難しい問題だと思います。
posted by おおおかとしひこ at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マイナーな名詞の扱い

本田さんの質問にお答えして。

絵は浮かぶけど名前がマイナーなものはどう書くのがよいか?
たとえばラインカー、四阿。
(校庭に白線を引く車つきの赤いやつ、
大きい公園にあるような、屋根つきの休憩所。あずまや)

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posted by おおおかとしひこ at 11:37| Comment(1) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月17日

ストーリーテラーになるために

ここを読んでいる人は、今、一日250人。
最新記事を読む人は毎日30人から40人はいて、
他の人はまとめ読みか拾い読みをしているだろう。

脚本家そのものに興味はない、小説家漫画家志望もいるだろう。
いずれにせよ、ストーリーというものの謎にぶち当たり、
それをどうにかして解明し、自分のものにしたいと、
願う人たちだと思う。

僕は過去の自分に向けてこれを書いている。
十年前の俺が知っていれば、なんとか出来たかも知れないことだ。
逆に言えば、
僕が書いていることをマスターするには、十年かかるのだ。

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posted by おおおかとしひこ at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フィクションの大嘘

小さな嘘を重ねる奴は、信用されない。
現実世界でも、物語でもだ。

あれああじゃなかったっけ?
えっとね、あれはそれの特別な場合で、こうなんだ!
へえ(なんか綻びてるな)

小さい嘘を重ねると、こうやって破綻する。

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posted by おおおかとしひこ at 13:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

テンポ

テンポがいいとか悪いとか、
どうやって決まるのだろうか。

ラップで喋ればテンポがよくなるのか。
音楽に乗せればテンポがよくなるのか。
違う。
それで持つのは3分ぐらいまでで、
2時間のテンポをコントロールすることではない。

テンポは、話の展開のスピードのことだ。

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posted by おおおかとしひこ at 11:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「わたし」と「あなた」はいない

映画は三人称形である。
わたしや俺(一人称)や、
あなた(二人称)はいない。


教科書的な意味では知っている。
しかし本当に分かっていることとは違う。

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posted by おおおかとしひこ at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月16日

線の面白さの表現の仕方

最も原始的で強力なのは、
その流れを再現してみせること。

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posted by おおおかとしひこ at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「何が面白いのか?」は危険な問いだ

それは、点で聞いているからだ。
点の質問に線で答えるバカはいないからだ。

どこが、何が、どんな点が、面白いか?と問うのをやめよう。

どう、どのように、どんな、どうして、面白いか?
と、線の答えを導くように問おう。


物語の面白さは、点の面白さではなく、線の面白さだ。
○○が面白い、と点で指定せずに、
○○から○○への流れが面白い、
となるべく線で表現しよう。

点で表現する限り、ストーリーの本質を見失っていることになる。
posted by おおおかとしひこ at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

設定厨に陥らないために2

結局、物語とは、
「自分にまつわる設定」から逃れた瞬間に始まる、
という話。

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posted by おおおかとしひこ at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

設定厨に陥らないために

まさか大先輩FSS(ファイブスターストーリー)
に噛み付くことになるとは、自分でも思わなかった。

FSSの設定などを見ていると、
設定厨に陥りストーリーに活かせない、
初心者にありがちないくつかのミスを見つけることが出来る。

何故FSSは設定は物凄く面白いのに、
いつまで経っても普通の話のように面白くならないのだろう?
何故あなたの書く物語は、
途中で挫折するか、最後まで書いても面白くならないのだろう?

初心者にありがちな共通のミスを犯しているからだ、
と議論してみよう。
仮にその病の名前を設定厨としてみる。

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posted by おおおかとしひこ at 03:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月15日

3つ思いついた面白いアイデアを8つにせよ

面白い話には、最低3つの面白いアイデアが必要だ。
事件発生の面白さ、
その展開の面白さ、
落ちの面白さだ。

これを、8つに増やせば、2時間の話になる。

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posted by おおおかとしひこ at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フェチズムの話

どらさんのコメントに書いたことに、
脚本論的に記すべきと思ったので、本論にも書いておく。

フェチズムは、微分的魅力である。

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posted by おおおかとしひこ at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月14日

人は何故物語を見るのか

人生のある種のシミュレーションではないか?
自分と近かろうが遠かろうが、
ある種の人生を「理解」して、
ああだから失敗だとか、
こうだから成功だとか、
ああしたらどうなっていただろうとか、
こうしなければどうなっていただろうとか。

ある種の成功談は模範になり、
ある種の失敗談は教訓になる。
そうやって、人生のシミュレーションをする楽しみなのではないか?

だとしたら、我々はその価値のある、
人生のリアリティーを提供すべきではないだろうか。
posted by おおおかとしひこ at 17:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

流れは流れているか

流れって何か、いつも上手く言えない。
流れが悪いとき、それだけは自覚出来る。
流れがいいときは嘘みたいに流れる。

流れとは、どこかからどこかへ流れる、
という観点から。

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posted by おおおかとしひこ at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

設定と物語の違い

設定を書いていると、物語を書いた気になる。
バックストーリー(過去)や
周辺の世界の設定(現在)もするし、
どういう事件が起こるか、
どういう結末を迎えるか、
どういう展開や事件があるかなどの、
ざっくりしたプロットもついてくることがある。

面白い設定は、
事件の起こった理由や、どんでん返しまで推測できる、
面白そうな話を想像させる。(例:ファイブスターストーリーズ)

にも関わらず、設定を書いても、物語を書いたことにはならない。
設定を書いても、プロットを書いたことにはならない。

何が違うのか。
目的である。

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posted by おおおかとしひこ at 12:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月12日

物語とは、未知が既知になる過程である

設定倒れが何故面白くないのだろう、
と考えていたら、この結論に行き当たった。

具体的には、ファイブスターストーリーズのことを考えていた。

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posted by おおおかとしひこ at 12:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月11日

構成とは何をすることか

構成とはなにか。

何の次に何を持ってくるかを決めて、
それを一本の線にすることだ。

だから、アウトプットとしては、一本の線でしかない。
つまり構成とは、
あらゆる色々を、どう順番に並べたか、だ。

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posted by おおおかとしひこ at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プロデューサー主導の映画は何故惨敗するのか?

これまでの議論から、ほぼ自明だ。
映画の面白さを、二幕だと思っているからだ。
しかもそれが全てだと思っているからだ。

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posted by おおおかとしひこ at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月10日

ただしい感想のかきかた

感情を言葉で説明するのは難しい。
そんなのが完璧に出来たら苦労しない。

だから映画の感想を言葉で書くのは、
実は難しい。

そういう前提でも、あなたは映画の感想をただしく書けるようになるべきだ。


まず、感情の振れた場面を特定しよう。
色々良かったけど、
一番良かった、という場面を。

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posted by おおおかとしひこ at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【てんぐ探偵】第六集「遠野SOS」リリース!

長らくお待たせ致しました。
いつもより大増ページでお送りいたします。

今回の目玉は第30話の遠野編。
レギュラー番組の夏休みスペシャルとか、劇場版のイメージです。
(二時間尺は嘘でした。29、30の連続で110分ぐらいでした)
特別主題歌も天から降ってきたので、同時に披露です。

全体(11集55話予定)のミッドポイントにもなる、重要エピソード。
他のレギュラー話もレベルたけえよ!
posted by おおおかとしひこ at 01:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月09日

作劇に個性は必要か

不要だ、という観点から議論してみよう。

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posted by おおおかとしひこ at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

一気読みは、こなれた表現にする

リライトのコツを。

必ず、
メモを取らずに一気読みすること。
これは、「全体の印象」をつくるためだ。

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posted by おおおかとしひこ at 11:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

世界観が面白いだけで、面白いと言えるか?

外国旅行は面白い。見たことない世界が見れる。
知らない所へ行くのは面白い。
知らない人に会うのも、向こうが嫌がってなければ面白い。
ファンタジーやSF、変わった世界を舞台にしたもの、
知られていない業界を舞台にしたもの、
それらの世界を知ることは、面白い。

その面白いと、ストーリーの面白いは、
質の違う「面白い」であることに注意されたい。

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posted by おおおかとしひこ at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月08日

強い動詞と弱い動詞

脚本を書くことが下手な人は、
弱い動詞と強い動詞の区別がついていないことが多い。

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posted by おおおかとしひこ at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

何かのために、何かをする

その人は、
何かのために、何かをする。

それがストーリーである、と言ってよい。

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posted by おおおかとしひこ at 14:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月07日

【天狗ニュース】OPEDアップ

なんだかんだいって、主題歌の話を書いてたのは、このステマだったのか!?

否、主題歌を録音したり、身体を通していると、
頭脳がテーマや主題歌について考え始めるのである。
これを心身一如などと、仏教ではもうします。心と身体は分離できないのです…

僕は歌にとてもコンプレックスがあるのですが、あえて恥をさらします。
(声や芝居は大丈夫だけど、歌は音程とかあるから)
それは、てんぐ探偵の世界を深めるためです。
楽譜が書けないので、俺の歌の生録音(無加工)です。
プロが歌って伴奏がつけば、いい感じになるなあ、と想像しながら、
生暖かい目で、否、耳であじわってください。

さらに予告! 第30話「遠野SOS」の特別主題歌も録音済み!
本編と同時発表! 待て!次号!
posted by おおおかとしひこ at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

視点の変更と感情移入4

大袈裟でなく、今の若いのにろくなのがいないのは、
ウルトラマンのような良作が幼少の頃に溢れていなかったからではないか。
(これ単独ではなく、山ほど似たようなのがあった)

何故なら、
帰ってきたウルトラマンに感情移入したら、
自分の人生でも、怪獣退治をすべきだと思うからだ。
仮に自分の中に孤独を抱えていても、
怪獣退治をすれば、皆から歓迎され、
ネガティブな感情はカタルシスを迎えることを知るからだ。
実はそれこそが、大きく言うと正義を歌っているのだ。

(ダメな歌い方は、感情移入なしで正義は大事と歌うことだ。
僕はKANの「愛は勝つ」を全否定する)

最近のタイアップ主題歌は、
そのようなことを知ることが出来るだろうか。
否だと思う。
実に残念である。
(逆に、テレビの洗脳を脱した、という目線もある。
せっかく出来上がっていた人類の秩序を、
洗脳から逃れることで崩したという話もある。
どちらが正しいかは、日本がこれからどうなるかで分かる)
posted by おおおかとしひこ at 14:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

視点の変更と感情移入3

映画は三人称視点だ。
カメラは人の外から人の外側を写し、人の中に入ることはない。
(主観ショットやボイスオーバーなどの微妙な例外はあるが、
その例外を使っていないものも多い)

にも関わらず、
我々観客の視点と気持ちは、その人の中に入っている。
これが感情移入である。

感情移入は、
頭で理解する状況説明のイントロと、
心で感じる深い部分のインゾーンの、
コンビで行われる。

途中をはしょって、先にアウトゾーンを見ておこう。

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posted by おおおかとしひこ at 14:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

視点の変更と感情移入2

先程の例は、感情移入のメカニズムをうまく表している。

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posted by おおおかとしひこ at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月06日

【天狗速報】第六集、週明けになります

たのしみにしてくださってる方、
毎回週末アップを狙っていたのですが、
もうちょっと完成度をあげさせてください。
posted by おおおかとしひこ at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする