2016年08月04日

取材に呑まれるな

取材はとても大切だ。
「リアリティーの確保」という一言で表せることではない。

その世界がどういう原理で動いているか、
深い部分でその仕組みそのものを知ったり、
専門用語をどう使っているか、
どういう生活をしているか、
という表面的なことを知るためにも、
取材はしてし過ぎることはない。

その取材に、呑まれさえしなければだ。

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posted by おおおかとしひこ at 11:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

そこにドラマはない(シンゴジラ批評9)

コメント返しに書こうと思ったけれど、
大事なことなのでちゃんと議論したい。

シンゴジラに、僕はドラマが何一つなかったと思っている。
災害に立ち向かう集団劇があったではないか?
それは人間たちのドラマではないか?

否だ。
あれは描写であり、ドラマではない。

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posted by おおおかとしひこ at 02:24| Comment(47) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月03日

【日記】世の中の評論家、なにやっとるんだ

なんかシンゴジラ批評記のアクセスが回ってて、コメントもばんばん来ると思ったら、
google検索「シンゴジラ 批評」の1ページ目にいる模様。
他は超映画批評と、いくつかのブログぐらいしか対抗馬がない。

ちょっと待て。
ネットのお前ら、もっと批評せんかい。
俺ごときが検索上位にいる理由はないだろうよ。
google先生、そこまで買いかぶらないでくれよ…
posted by おおおかとしひこ at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

恐怖という動機

ドラマや映画では、
人を動かす動機には様々なものがある。

そのなかでもメジャーな、恐怖という動機について、
考えてみよう。

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posted by おおおかとしひこ at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

テーマ性2(シンゴジラ批評8)

この映画を見る限り、
「日本はスクラップ&ビルドでやって来た」
がテーマを一番深く語っている言葉だと思う。

さて、これはトップシーンと係り結びになっているか?

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posted by おおおかとしひこ at 12:37| Comment(16) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

災害とテーマ性(シンゴジラ批評7)

そろそろシンゴジラの中心に行こうか。
テーマだ。

「ゴジラという災害がやってきたときに、
人々が見せる人間らしさ」みたいなことを、
描こうとしているはずである。
少なくとも企画書にはそうあっただろうし、
それがコンセプトだろう。
(初代回帰と311の現実を鑑みれば、それは最も妥当だ)

しかし、「名もなき人が、
災害に当たって見せる人間らしさという群像劇」
として、これは妥当な脚本か?

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posted by おおおかとしひこ at 11:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月02日

【りょうさんへの回答箱】基礎資料

>作品を描く際は描かんとする世界を良く知るために資料が必要です。
自分が描こうとする世界の資料は必須として、どんな世界を描く際にも必要な基礎資料ってあるんでしょうか。国語辞典、敬語などの言葉遣いに関する本などは基礎資料かなと自分では思っております。こういったものを「資料」と表現するのはちょっと違和感ありますけど・・・

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posted by おおおかとしひこ at 15:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【KYKYさんへの回答箱】劇場のしくみ

興行論とかそういうことかも知れないけど、
日本の習慣では、劇場(小屋)主が興行の世界では一番強い。

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posted by おおおかとしひこ at 14:55| Comment(3) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人間のリアリティー(シンゴジラ批評6)

あ、二つだけ、人間のリアリティーが上手く描けていた場面があったので、
誉めるべき所は誉めておく。

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posted by おおおかとしひこ at 09:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オタクの人間性(シンゴジラ批評5)

僕は元アニメ(ヤマト999以来)オタクで特撮オタクだった。
いまだに映画オタクで格闘技オタクなので、
オタクというものに長年親しい。
だから同族嫌悪もあるかも知れないし、
反面教師としようとしてるのかも知れない。

僕はオタクの人間性が嫌いだ。


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posted by おおおかとしひこ at 09:09| Comment(11) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

結局(シンゴジラ批評4)

僕はこの映画よりも、
ウルトラマンの中のベストエピソードのひとつ、
スカイドンの話の方が好きだな。

技術と資金投入は進化した。
脚本はどうだろう。
posted by おおおかとしひこ at 02:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

その総力戦に意味はあるか?(シンゴジラ批評3)

物凄い物量のキャストだった。
オールスター×癖の強い役者たち。
キャストだけなら三谷映画より豪華だろう。
それぞれにアップがあって、正月映画かと思ったよ。
それがとても東宝的だった。

物凄い物量のスタッフだった。
製作委員会の規模もだ。
ゴジラの大本命を作るに当たって、
物凄い物量の政治があったことが想像される。

特にびっくりしたのが、
プリビジュアライゼーションスタッフが、
きちんとクレジットされていることだった。

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posted by おおおかとしひこ at 01:50| Comment(16) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

足りないのは、人間(シンゴジラ批評2)

アトラクションムービーとしては、
今後10年は破られることない、
日本の最高峰が出来たと思う。
初代を覗けば、
歴代平成昭和ゴジラの中で最高傑作だ。

アトラクションムービーとしてはね。
いや、正直SW7より良かったよ。
知ってる町が出ると興奮するしね
(うちから丸子橋と浅間神社まで10分ぐらいなのだ。
たぶんうちは踏まれたっぽい。やったぜ)。
タイトルの凝り方、群像劇構成の狙いも良かった。

だがしかし。


足りないのは「人間」だ。

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posted by おおおかとしひこ at 01:16| Comment(6) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オタクの星(シンゴジラ批評)

中学生だった僕に教えたい。

おい、お前の見てるダイコンフィルム、
愛国戦隊大日本とか、怪傑能天気とか、
あのアニメ作ってたやつら、
庵野とか樋口とか摩砂雪とかが、
スッゲエゴジラをつくるぜ!
日本の総力戦だよ!
スタッフもキャストもすげえよ!
日本のCG糞なのが嘘みたいだ!
まさか東京壊滅がこの目で、うんこCGじゃなく見れるんだ!
しかもオリジナルの爆発SEとか使うんだぜ!分かってるよ!
列車爆弾最高!
最高だ!オタクの鏡だ!

とね。

中二の頃の俺なら、すげえよ!って大興奮だ。


しかし、大人になった僕はわかるんだ。
「それは誰かのものを、アップデートしただけだよね?」と。
「それはダイコンフィルムからの本質じゃないか。
彼らはあのときの特撮やアニメを再現することだけが目的で、
オリジナルを作ろうとしたか?
今回も同じだろ?」とね。

庵野は、星だ。
しかし、オタクでしかなかった。
作家ではなかった。

最高のビジュアル。最高の音響。最高のキャスト。
おそらくこれを越えることは日本じゃ出来ない。
だがそれは、
昔のフィルムで作ったものを、4Kにアップデートした程度のものだった。

ここに、日本映画の、(現在の)限界点を見ることになってしまった。
批評2に続く。
posted by おおおかとしひこ at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月01日

【Riさんへの回答箱】謎や伏線のベストのタイミング

>謎や伏線を張るベストなタイミングを教えてください。 よろしくお願いします。

少し考えればわかると思います。
「開始五分です」なんて統一的正解があるでしょうか?

「それが最も効果的な時」しかないと思います。
謎や伏線の種類、受け取る側によって異なると考えます。

リアルな世界を考えましょう。
誕生日にサプライズプレゼントをあげるとします。
隠し方やミスリードのさせ方は、
プレゼントの内容や受け手によって異なりますよね。
それと同じだと思います。
posted by おおおかとしひこ at 17:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カタルシスのパターン

と題してみたけれど、
実はカタルシスやラストシーンは、
パターンはほとんどないんじゃないか、
という話。

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posted by おおおかとしひこ at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする