2016年10月13日

不動点

物語は変化を描くものである。
ということは、変化しないものと対比すると、
変化を分かりやすく見せられる。

動かない背景の前で走る人は、何が起こっているかわかる。
あるいは背景が流れているが、走っている人が見かけ上同じ場所なのも、
何が起こっているかわかる。
背景も流れて人も走っていたら、
何が起こっているか厳密に分かりにくい。

動かないものを、不動点と呼ぶことにしよう。

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posted by おおおかとしひこ at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【日記】エスケイプ

過労死のことについて、おじさんの時代の文化を書き残しておく。
というのも、あれだけツイッターが残っていることから、
若い世代は、「スマホのない世界」を知らないのではないか、という気がしたからだ。

僕が会社に入った1997年、
ケータイは仕事でほとんど使われてなかった。
高価なため、ないのが前提で仕事がすすんでいた。
勿論、ネットは存在していなかった。

どうやって連絡をとっていたのか。固定電話だ。
電話以外に連絡が取れないから、
「決まった時間に、決まった場所にいること」が仕事の一部だった。
そこで連絡事項が申し伝えられる。
今でも9:30出社を強制するのは、この名残だと僕は考える。

ところで、おじさんが若いころは、
それから逃げることができた。
一般に「エスケイプ」と言った。
授業を抜ける(フケる)、会社をさぼる、
などして、映画館やデートや海に行ったりしていた。

ケータイがなかったから出来た逃避だ。
だって物理的に行方不明になれるんだもの。

今、行方不明になったらケータイでおっかけられる。
最悪メールで、明日までやっとけと指示だけ飛ばされる。
物理的に同じ場所にいなくて良くなったけど、
逆に24時間鎖がつながれた。

エスケイプ。
その場からいなくなるだけで、鎖を切る行為。

僕の時代は、制作費40万持ち逃げして次の日から会社に来なくなった奴もいた。
ケータイがないから家に行くしかない。
彼は数か月そのアパートには帰って来ず、40万はうやむやになった。
(実際40万なんか制作費からすればはした金で、たいして問題にならなかった)


今、そういう逃げ方は出来ない。スマホがあるからだ。

ツイッターに悲痛なメッセージを書き、
誰か助けてと訴えることも出来るけど、
それでも誰も助けてくれなかった。
いっそ電源を切って、海に沈めて、
「スマホがない時代」の逃避の仕方を学ぶといい。
ネットは今やセーフティネットだけど、
その繋がりは昔はなかった。
顔見知りだけが、人のつながりだったんだ。


昔、エスケイプは不良の十八番だった。
80年代のマンガには絶対出てくるものだった。
不良が鬱になって自殺することは絶対ない。
つかまらなきゃそこは楽園なんだ。

そしてそもそも、広告とはやくざや不良の仕事なんだぜ。
posted by おおおかとしひこ at 16:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ルーティン

イチローの袖まくりなどで有名になった、
スポーツ選手のルーティン。
あることをするとき、癖のようなある動作をしてからだと、
同じことを安定してしやすい方法だ。
運動神経への自己暗示のようなものだ。

さて、これは純粋に頭の仕事と思われる、
シナリオライティングに使えるだろうか?

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posted by おおおかとしひこ at 12:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする