僕が就職活動した20年前、映像業界は憧れの職場だった。
映画は人を募集してなかったので、僕はCM業界に潜り込んだ。
キラキラしていた。毎日興奮して、
自主映画時代では得られなかった、
プロのもの作りや議論に囲まれて、
大変幸せだった。
幸い血尿は出なかったが、
血尿が出て一人前、女なら生理が止まって一人前の、
徒弟制だった。
今、若者は映像業界に憧れがあるだろうか?
強烈に俺はあの世界で生き、あの世界で死にたいと思うだろうか。
残念ながら否だと僕は思う。
だってそこまで面白くないもの。吸引力がないもの。
なぜこうなったのだろう。日本が傾いたのはなぜだろう。
今おれが20才なら、アメリカにでも行くのかな。
ちょっと日本の映像業界マジでヤバイ。
ここにいたくないんだよ。
みんな、勝手に面白いものをつくれ。
日本の映像業界に期待せず、しかし牙だけはいつも磨け。
ここで得たことは、どこにいってもどこの時代でも使えると思って、
僕は勝手に書き続ける。