2013年08月06日

物語とは、動きである。5: 動きの図式化例3

ついでに、「超憧れのアイドルと暮らす」をこのフォーマットで図式化してみた。
「アイドルと暮らす」の図式化.pdf
業界用語で同ポジとは、「同じポジションで、動かないこと」を示す。
退屈とは、動かないことなのだ。
(逆に幸せとは、これ以上幸せにならない、完成=静止のことかも知れない。
だから、ハッピーエンドは定番なのかも知れない)

これを動かすにはどうすればよいか。

人物を動かす:別の場所へ。動機を変容させる(ラブラブから、別のものへ。
 ケンカから浮気から別れるまで)。
 新登場人物。または人物の退場(死、ケンカで出ていく、誰かに呼ばれる)。
 アイテムの追加、退場でもよい。
場所を動かす:外へ出る、旅行など。(ロードムービーは、ほとんどこれだけで何とかしている)
 別の場所の別の人物の登場、と組み合わせてもよい。
設定の変更:実はこれまで出ていたものは、○○だった。
 (宇宙船のアダムとイブだったとか? ドッキリだった? 実はアイドルはニセモノで…?)
謎の追加:なにかの謎を追加し、それを解くことで行動させる。
 (たとえば「トゥルーマンショー」は、「この幸福な静止」が、謎の発見によって壊れ出す)

などが「図式的に」考えられるだろう。
これは、なにもこのシチュエーションだけでなく、一般に「脚本が行き詰った」ときに
使える方法論である。

なぜハリウッドでは「コンフリクト」を中心に据えるのか。
それは、コンフリクト(対立、衝突、確執)が必然的に、解決への動きを求めるからである。
締め切りの設定(○○までに○○しないと、大変なことになる)もそのひとつだ。
動かなければならない状態で、主人公が動くように仕向けるのだ。

あなたの物語は停滞していないか? 写真的になっていないか?
動き続けているか? どう動いていくのが面白いか?
そのコントロールが、ストーリーテリングである。
posted by おおおかとしひこ at 18:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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