突然アクセス数が伸びてびっくりしました。
細々と脚本論を書いていて、日に10アクセスもない辺境ブログが、
9/19から突然、306、633、471、954、1835アクセスに。
どなたかが風魔監督メモを発見してくれて、ネットで拡散しているようです。
(最初は某ch、次はツイッター。拡散の様子がわかって面白かった)
有難いことです。
丁度9/21が僕の誕生日だったので、このアクセス数が、望外の誕生日プレゼントになりました。
長いので、たたみます。
風魔は、僕の愛すべき代表作です。
スタッフとキャスト、様々な人たちとの偶然の出会いと、
みんなで知恵と体力を振り絞ってつくった奇跡です。
原作の面白さ、脚本の面白さ、現場の面白さ、バックステージの面白さ、
全てが噛み合った奇跡です。
(原作つき実写化がほとんど悲劇で終わる中、数少ない成功作品だと自負しています)
みんなセカンドシーズンをやりたがってたと思います。
ご存知の通り、風魔は、
「腐女子向きの原作コンテンツを、ノースポンサー(制作委員会でお金を集める)でドラマ化、
DVDと舞台でその後回収」という実験的ビジネスモデルの、一番手に過ぎませんでした。
4本一年間の通しで、プロジェクトの収益とビジネスの成否が決まります。
二年目があればセカンドシーズンやれたんだろうけど、
制作委員会の野心的目論見は、一年で解散してしまいました。
東宝の中の何人かはやりたがってた、とは聞きました。
制作委員会全員が、次もやろう、と言わなかっただけです。
それはとりもなおさず、「思ったよりは儲からなかった」という結論につきます。
CDが予想以上に売れた訳ではないし、コスプレ衣装やアクセが予想以上に売れた訳でもなく。
風魔単体ではかつかつで黒字だったと聞きますが、舞台やDVDの収益の報告が出る頃には、
プロジェクトは一年で終了する話になっていたと記憶しています。
風魔だけ、その後の三本と毛色が違い過ぎたかもです。
本来やろうとしていたニュアンスの事を、風魔で僕が明後日の方向に歪めたのかも知れません。
(後続三本では、一回も俺呼ばれなかったし…)
風魔で予算を使いすぎて、後続の予算を圧迫して、
スタッフがやりたいことが出来なかったのならほんとすいません。
風魔単体ではなにひとつ間違ってなかったと思うけど、
「プロジェクト全体では」斜め上に間違っていたのかなあと、考えなくもないです。
それは僕の仕事ではないんだけど。
(もっと腐女子向けに、と言われたら、そもそも断ってたかも知れないし。
だから間に挟まれてるプロデューサー達が、一番意見調整が大変だったろうなあ…)
その後、僕は映画方面で、なかなか通らない「企画のいばら道」を歩いています。
制作プロダクションのゼネラルエンタテイメントは倒産しました。
(多くのプロデューサー達は四散して、その一部しか連絡が取れないです)
照明の井上さん、ナレーターの郷里さんが鬼籍に入られました。
陽炎、琳彪、姫子の三人の役者は引退したようです。
バンドやったり舞台やったり変態花屋やったり、活躍しているOBもいます。
撮影の菊池さんは、ギャバン劇場版にクレジットがあってびっくりしました。
美術の平山さんは、虎ノ門で飲み屋をやってます。HANZって小さな店です。
(最近いってなくてすいません。また野郎どもを連れて行きます)
監督というのは、プロデューサーから呼ばれる立場の職業です。
その呼ぶ人たちがいなければ、風魔2はないかも知れません。
でもいつか集まる日の為に、希望は捨ててはならんのです。
いつでも戦えるように、牙を錆びさせてはならんのです。
あんなに名作だった風魔を、それは愛することなのです。
まだ愛してる方がいたら、時々何話がよかったとか、
オンエアの時のような話をしてくれると嬉しいです。
DVDをレンタルしたり買ってくれると、版元の東宝さんが、
「終了後も売れ続ける優秀コンテンツ」と気づいてくれるかも知れません。
中身はいいと思うんだけど、いかんせん知名度がないんだよねえ…
今日はファン感謝デーということで、ファン向け小ネタを解放しますね。
・白凰学院関係の車両のナンバーは、全て890(ハクオー)。
野球部遠征のバスで、確認できるかな。ちっちゃくて無理かも。
・夜叉関係の車両ナンバーは、全て848(ヤシャ)。
謎の交通事故のシーンで、同じく確認出来るかも。
ドラマや映画ではナンバーを隠すんです。
撮影は法令遵守しないことが多く、ナンバー登録されてる個人の犯罪になっちゃうから。
(バスの上に人を乗せたまま運転したり、人を跳ねてはいけない)
実際にはありえないナンバープレートで、なおかつそれっぽい見た目の、
ニセナンバーに入れ換えます。ドラマなんだから現実じゃないのに、
現実だと間違える人対策なんです。住所表示や改札、看板なんかもそうですね。
何番でもいいんだけど、せっかくなんで小ネタ入れときました。SDだし、見えないかも。
・白鳳(はくほう)ではなく、白凰(はくおう)。前者は奈良時代の文化。鳳凰のおうの方。
年季の入った原作ファンは間違えないけどね。
・7話で劉鵬が持ち上げた岩の中には、1話の蜂の巣が入っている。
芯がないとへにゃってなるから。新しい芯の予算がなく今までの使い回しをした。
どんだけ予算ないんだよ。ええ、ないんですよ。
・12話の乱戦の夜叉下忍は、合成で人数を増やしている。
武蔵の後ろから登場する所、死体が広がる所。合成しない場合、最大10人しか下忍はいない。
何故なら、あの紫の制服は、八将軍+2の10着しかない(壬生は人数に入れたよ!)から。
ちょいちょい出てくる下忍の服も、実は誰かの使い回し。
どんだけ予算ないんだよ。ええ、ないんですよ。
下半身が別布になってるのも、布代半分けちったから、って、これは書いたかな。
・10話、小次郎がデートに悩む時の参考書の没ネタ。
「48手100選」「世界のピロートーク」
奥ひだ慕情もだけど、俺よく下ネタでボツ食らったなあ(笑)
・6話の小次郎の「シンクロって面白いね」は、村井のアドリブ。
・5話の琳彪の「ガンつけの話」は、高橋のアドリブ。
・5話の小龍初登場で風魔が全員起きてくるが、そこに琳彪だけいない。
俺が脚本に書き忘れたため。まじスイマセン。5話しか出番ないのに!
12話の冒頭に出番つくって謝罪の意味にしたけど、これが名シーンを生むとは。
・市野監督は、琳彪に会っていない。俺の現場で登場→死のため。
・逆に俺が不知火に会ったのは、2話の「八将軍、そろいました」のシーンとOP撮影のときだけ。
・兜丸は医療担当にしようとしたのだが、いかんせんキャラが立たず、
11話で市野さんが甘党キャラで立ててくれた。流石です。
・ファンには有名だけど、各話で最後に出る星取表、「白虎」が「百虎」に間違っていた回がある。
オンエアバージョンのみです。DVDでは修正済み。録画組、いたらご確認を。
これはSFXスーパーバイザー(名は伏せるとしましょう。DVDみりゃわかるけど)のミス。
罰として、SEXスーパーバイザーで一回だけ表記しようぜ、と言ったけど、またもや却下(笑)
次回予告: 風魔2構想ノート、公開します。
まだメモ程度で各話のアイデアは詰めてないし、ディテールで迷ってる所が沢山あるけど、
根幹のアイデアだけは出来ていたものです。
このまま闇に消えるのが惜しいし、まだ沢山風魔ファンがいることがわかったので、
公開します。いろいろ想像して楽しんでください。
せっかくなので、「10月第一週の水曜日23:30」の風魔第一話時刻にあわせますか。
タイトルは「風魔の小次郎2 銀の一族篇」。見ないと風が吹かないぜ!
2013年09月24日
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私は、風魔の小次郎をリアルタイムでは知らず、3年前に小次郎、麗羅、竜魔、劉邦が忍んでいる戦●鍋TVという番組のファンになり、彼らの出てる作品を遡って、風魔にたどりつきました。
風魔の俳優さん達は珠玉揃い、その後の彼らの活躍でついたファンが風魔を観てハマるケース、多いと思います。
6年前の作品でも、初めてみる人には新鮮な新作感覚です。今でも新たにファンになる人けっこういますょ。
それに、小次郎も「風魔は自分の中の一番。原点」と取材で言ってたし、他のメンバーも風魔を愛してる発言をよくみかけます。また、集まってほしい。
最初の数話は新人の台詞まわしが心許なくて、低予算深夜枠臭もあるなーと思いつつ観初めましたが、回を追うごとにどんどん違和感が消えて面白くなって惹き込まれてすっかりハマっている自分に気づきました。とても魅力的な作品です!
一番初めはネット動画で観ましたが(←すみません、でも宣伝効果抜群でした)、レンタル版にはない特典映像もみたいし、もっと隅々までドラマをよく観たくてDVD全巻購入しました。
風魔スタッフブログも全部読破。写真集も、ほしかったなぁ。
俳優陣が人気が出てスケジュール的に続編がダメなら、劇場版風魔の小次郎、観たいです。ドラマと同じキャストで。(←誰に言えばいいのかな。)
その時がきたら、引退した俳優さん達も、参加してくれるといいな。
今なら、当時新人だった俳優も活躍してファンを拡大してるから、きっと映画だってドラマだってもっと需要あるのに。
主題歌のアンティーク珈琲店も武道館ライブしたり、ヨーロッパ?で大人気だそうだから、海外に輸出すればいいのに。東京オリンピックも決まったし、日本・忍者なテイストがきっと海外でウケると思うし、ストーリーがわかりやすくしっかりしてるから。(海外なら新人の台詞の危うさも吹替えでわからないし。)
ファンレターのように長くなってすみませんでした。
思いの丈をぶつける機会がなかったので一気にはきだしました。
長すぎて他の読者にドン引きされるとアレなので、このコメント掲載しなくても結構です。監督に読んでいただければ。
どんな小さなエピソードでも、楽しみにしています。
続編、きっと実現しますように!
明らかに後続の3作とは熱量のまったく異なる名作となりえたのは大岡監督のおかげだと当時から思っていましたが、やっぱりそうだったんだと納得しました。胸熱です。本当にありがとうございました。
“イケメン揃ってんだからこれで満足だろ”的な視聴者(というか腐女子でしょうね)をバカにした安易な作りが先の無いものにしてしまったのだと、お金を出す側にも理解されたであろうことを切に願っています。
続編・・・原作が夜叉編のかなり上をいく荒唐無稽ぷりなのは知っていますが、少しでも可能性があるのなら、そして大岡監督が心血を注いでくださるのなら、心から熱望します。
監督と、さほど変わらない生まれ(1972年)で、
中学生の頃に、原作を読みました。
実写版&舞台版があったことは、最近知り
(去年の末に、戦国鍋から辿って、たどり着き)
地団太を踏んだ一人です。
実写版は、You Tube版で全て確認。
舞台版は、
「後ろの屏風の文字が気になる」という理由で、
DVDまで購入し、文字を確認しました。
DVDで確認できなかったら、
どこに問い合わせれば良いのだろうかと、
思案していると、
運よく、監督の構想メモに行き当たりました。
それこそ「お布施代わりに」と思って、
購入したDVDで、屏風の疑問は自己解決しましたが、
それほどの拡散状況になっているのなら、
尋ねたい事は残っているので、
DVD添付の葉書を、
東宝に送ってみようかと思います。
私の葉書が、
何かの一助になれば良いなと思いつつ。。。