風魔の絵コンテを、公開してみました。結構なアクセスがのびてきました。
絵コンテは、漫画とは違うのですが、知らない人は漫画だと思いがちです。
(しかも俺は昔漫画家を目指してたりしたので、漫画の絵でかいてしまい、
余計に漫画だと思われてしまいます)
コンテは、撮りたい絵をかくものではないです。
コンテは、導線をかくものです。
人物の立ち位置、インアウト、導線と芝居でストーリーを表現して、
イマジナリラインを設定し、カットの寿命(テンポ)を決めるものです。
どこに注目がいくかを、寄りや引きで、コントロールするものです。
さらに言うと、余計な誤解=ノイズをどう除去するかの計画です。
撮影計画だと誤解されがちですが、僕にとっては編集計画です。
編集の極意は、「カットが変わったことに気づかれないこと」です。
カットが変わっているのに、物語の進行に集中しているようなカット割りが、
編集の理想です。
それは、物語の進行にとって自然な誘導になっているということです。
僕は、「楽譜」と解釈しています。
時間軸のあるものを、どう見せるかの設計図です。
動くダンスの振りつけと、どこをどういうテンポで見せるかを決めるものです。
監督によって、主副の判断や、テンポ感が違い、「解釈」の現れるところだったりします。
見る人にとっては、「感覚」でしかないんですけどね。
ワンカットで引っ張るのか、カットを細かく割るか、ここで粘ってワンカットにするか、
その時周囲のリアクションは撮るのか省略するのか、
絵的に美しく撮るのか、決めゴマにするかどうか、自然に行く進行と違和感のある進行、
それをどういうテンポで挟み込むか、などの細かい判断が問われます。
ついでに予算とスケジュールも含めての主副の判断なども。
絵がうまい下手ではなく、そういう所が玄人的な見どころです。
年末にやってる芸能人格付けチェックの、
「素人のカット割りとプロのカット割り」、うちの若手演出家に見せると面白いんですよ。
おれは一発で分かるのに、なかなか全問正解できない。
いかにカット割りが奥深く、特殊技能かということを痛感させられます。
2013年11月06日
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