僕の座右の銘のひとつだ。
初めてハリウッドにいったとき、土産屋の絵ハガキに書いてあった言葉。
崖から、向こうの崖に自転車で飛んで移ろうと、
男が猛烈に自転車をこいでいるイラストだった。
ストーリーとは何か、と迷うときに、この絵ハガキを今でも見る。
逆境を絵にすること。(崖を自転車で飛び越える)
危険を認識させること。(落ちたら死ぬ)
目的をはっきりさせること。(崖の向こうへ行くため、自転車をこぐ)
準備を描くこと。(その男はヘルメットをしっかり被っている)
そして、あとは勇気を出すこと。
それを、絵にすること。
少なくとも、ハリウッドは、それをストーリーと呼ぶのだ、
といつも思いを新たにする。
逆境がよくわからなく、逆境ですらなく、
危険も認識できず、
目的が曖昧で、
準備に知性がなく、
自ら勇気を出さず他人任せにするのは、
ストーリーではない。
無謀な蛮勇を言っているわけではない。
十分に準備されてはいるものの、
やってみるにはガッツのいるシチュエーション。
その舞台の整え方と、ガッツそのもの。
それがストーリーだ。
逆に言えば、ガッツだけが、道を切り開き、後世に残る物語になる。
座右の銘はいくつかあるが(「我が生涯に一片の悔いなし」byラオウ、とか)、
物語を考えるとき、いつも側に置いておく言葉である。
残念ながら、誰の言葉かは、絵ハガキに書いていない。
2013年11月12日
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