前記事で悩んでいたことの、突破口をさっき見つけたので、
その方法論をふたつほど記録しておく。
困ったときのヒントとして。
ひとつは、動機表をつくったら頭からストーリーをトレースすること。
もうひとつは、忘れる為の儀式を決めること。
忘れることが有効なのは、執筆に窮しているときはにわかには信じがたい。
が、風呂やトイレや寝る寸前、散歩中や電車内でアイデアを思いつく経験は、
誰もがある筈だ。
たっぷり寝たあとや、オナニー後の賢者タイム、寝て起きて飯食ったあと、
なども高確率でいいアイデアが湧くことがある。
これには法則があって、
直前までギリギリに考えておいて、
環境を変えるときに、起こりやすい。
だから僕は、思いつきたいときは、ギリギリまで机の上で考えて、
突然電車に乗ったりする。ついでに寝たりする。
そこで何かの脳のモードが変わるらしい。
今回の思いつきも、最寄り駅のひとつ手前で降り、
夜中の散歩をわざとやっている最中に来た。
こうすれば思いつきやすい、という儀式を経験的に決めることは重要だ。
僕の場合、一駅ぶんの散歩、風呂、日比谷線の中、と決めてある。
あと、昼まで寝て、昼飯直後の思考タイム。
これをやって思いつかなければ、難問だと捉える。
プロットに戻ったり、ログラインやコンセプトまで戻ったり、
全人物の設計まで戻ったりする。
儀式は、そこまで戻るべきかどうかの、試しとして行う。
クドカンは、喫茶店で書いて、煮詰まったら次の喫茶店へ行くらしい。
そうやってハシゴして、意図的に環境を変えて脳のモードをシフトしているのだと思う。
もうひとつは、新しく動機表をつくり、頭から語り直すことだ。
最初に何を仕込むべきか、あとの展開がわかっているからこそ、
新しく冒頭部分が変更を受ける。
最初から各人物の動機が、作者に明らかになっているからだ。
何を伏せ、何を明らかにするか、
前に書いたときより明確に出来る。
今回の場合、全人物の動機表をつくった上で、
夜中ひと駅分散歩しながら、頭から考え直し、
冒頭にミスリードを仕込むという閃きを得た。
乗りが悪い原因は、話がストレート過ぎて、
なんだか飽きてきたのだ、ということが、
思いついてはじめて気づいた。
誘導して誘導してひっくり返したら、驚くし、
テーマとも関連する、ということに気づいたのだ。
あと僕がよくやるのは、
内容を知らない後輩をつかまえて、
こんな話があるんだけど、と最初から語ることだ。
後輩はみんなディレクターなので、素人ではないから、
話の本質だけを抽出して聞いてくれる。
しかも話に贅沢だから、生半可な面白さでは食いついてくれない。
その足を止め、巻き込んで行けるか、という試験のようなものだ。
ディレクターの後輩がいなくても、
映画好きや脚本のことが分かる友人などに、
口だけで話を一から説明するのはよい方法だ。
ストーリーテリングの、最も原始的な方法だからだ。
そのときどこで食いつくか、どこで理解が追いつかなくなるか、
どこに疑問を持つか、などをチェックするとよい。
予想外の反応があったところが、あなたの話の弱点である。
2013年11月14日
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