設定を組んでいると、面白い、独自の設定をおもいつく。
話の主設定となったり、小さな設定だったりする。
殆どの「設定」は、芝居でカバー出来る。
理想の脚本は、説明台詞のないホンだ。
説明台詞を減らすには、芝居を使う。
簡単な例を。
「誰もがAを欲しがっている」という設定を説明するには、
「出てくる人物が全員、Aを欲しい」という動機なり場面を作ればいい。
Aがあればいいのに、という夢想や、Aさえあればこんなことにならなかったという後悔、
A故の悲劇、Aを手に入れたあとの具体的計画のことを動機とする、
など、個々の人物によって描きかたは変わるだろうが、
本筋で関わる全員にこのような場面を用意するのは常套だ。
もうひとつは、一般人でも欲しがる、という場面をつくる。
Aが金なら簡単だ。一般人の前でちゃりんちゃりん小銭を落とす。
周りの反応を描くことでそれらを表現する。
拾おうとした子供を張り倒してまで奪う大人を描けば、
どれだけの欲しさか分かるだろう。
美術館に飾られているものなら、警備員が盗もうとする、
などでその欲しがられさを表現したりする。
あるもののなかに、あるものを投入すると、
反応が起きる。その反応こそ、その人が他人には見せない本心である。
その本心があらわになるような、文脈を用意する。
いずれにせよ、「誰もがAを欲しがるのだ」と誰かが誰かに説明したり、
ナレーションで説明する必要はない。
説明台詞のよくないところは、それを「理解」する間は、
感情が動かないことである。
芝居は感情であり、物語は感情で見るものだ。
にも関わらず、設定を説明しないと物語は語れない。
設定を芝居で語ることをまず考えよう。
感情移入の場面になるようにしよう。
逆に、物語の主骨格だけはナレーションや説明台詞にした方がよい時もある。
むしろ、ここだけ説明台詞にするのがコツかも知れない。
スターウォーズでは、「帝国軍が支配し、人民は虐げられている」だけは
さっさと冒頭字幕だけで説明してしまう。
フォースのことは、追々物語内で出てくる。
どれが主骨格か見極めることが肝心だ。
スターウォーズは、「フォースという、鍛えれば超能力となる力がある」
ことを冒頭字幕で出し、帝国軍は芝居で説明することもできる。
何も知らない人に、何を一個だけ説明すればいいかを見極めよう。
それさえ説明すれば、あとは芝居で組めるものを見極めよう。
ハリウッドは、大抵世界を二項対立で描くから、
そこを設定してくる。
あなたの物語の主骨格設定はどこか。
それを見極めることは意外に難しい。
ログラインやコンセプトを何度も書き直そう。
つくっている最中、何度もぶれるのは当然だ。
デッサンのように、何度もやろう。
しっくり来たら、説明と芝居を使い分けることを考えよう。
既によく出来上がったものの、説明や芝居を云々するのは簡単だ。
つくっている最中は、出来ていないから、ここを確定するのが難しい。
説明を上手く出来るようになるのは、
全体が、あなたから距離が離れて見えた時だ。
序盤が最も書き直しが多いのは、そういうことだ。
2013年11月18日
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