2013年12月05日

一気に書けるのは、30分

これも僕の経験則。
白紙を前に、休まずに書ける脚本の尺(分数)は、
どれくらいだろう。
僕は、30分一話完結までだ。

とはいえ、ノープランな訳がない。
プロットの膨大なメモ、書きはじめてやめた原稿、
セリフやディテールのメモ、伏線やオープニングやエンドのメモ、
そのような雑多な構想を経て、
あとは白紙に書いていくだけ、
という状態になってからだ。

人によって体力や集中力は違うだろうが、
僕の場合は、A4白紙に、青いボールペンで、
縦書きで書いていくのが、一番楽なようだ。
それでも、まる一日、はやくて4時間、難産なら8時間はかかる。
(これを文字うちして清書、さらに一日寝かして修正)
風魔のときもこのペースだった。

書くという作業は、第一稿においては、仕上げ作業みたいなもので、
時間のかかるのは、それまでの構想のほうである。

一日でどれくらい人は書けるのだろう。
僕は30分、つまり30枚が限界だ。
(乗ってる小説家は100枚くらい書くという。ジャンルは違うけど)
じゃあ120分が4日で書けるかといえば、そうではない。
頭にあって絞り出したら、そのあと充填するまで書けない。
一週間はかかるから、2時間書くのは、一ヶ月はかかる。

集中力、体力、頭の中のメモリ、などなど、
人によって差があるだろうから、
とりあえず僕の場合を書いてみた。
売れっ子と言われる作家は、かけもちとかするしねえ。


僕の、白紙に一から手書きで書くスタイルは、
色々な試行錯誤の末たどり着いた、
一番原始的な方法だ。
原始的ゆえ、一番練度のいる、一番エレガントな方法だと思っている。
ワープロに書き出す方法は、漢字変換に脳のソースをとられて、
内なる声を記録するのにノイズになるので、
嫌いだ。
こういう解説的文章だと、論理的に考えるので文字うちで大丈夫だけど。
いわゆる右脳で僕は脚本を書いているのかも。
脚本は音であるから、あってるのかも知れない。


一日で書ける尺に限界があるということは、
それ以上は複数日かかるということ。
それは、体調や感覚や発想が一定ではないということが前提になる。
「ある気持ち」(衝動のようなもの、作品へのさわり方)は、
一度寝て日を跨ぐと、微妙に変わってしまう。
だから僕は30分以上は慎重になる。
30分までは短編、それ以上は長編として区別することにしている。

こういう雑談、脚本家の知り合いがいないので、
特殊なのか一般的かは、ちょっと分からない。
創作のやり方や、仕上がりは、人によって全然違うものだから。
何かの参考になれば、幸いだ。
posted by おおおかとしひこ at 14:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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