これも僕の経験則。
白紙を前に、休まずに書ける脚本の尺(分数)は、
どれくらいだろう。
僕は、30分一話完結までだ。
とはいえ、ノープランな訳がない。
プロットの膨大なメモ、書きはじめてやめた原稿、
セリフやディテールのメモ、伏線やオープニングやエンドのメモ、
そのような雑多な構想を経て、
あとは白紙に書いていくだけ、
という状態になってからだ。
人によって体力や集中力は違うだろうが、
僕の場合は、A4白紙に、青いボールペンで、
縦書きで書いていくのが、一番楽なようだ。
それでも、まる一日、はやくて4時間、難産なら8時間はかかる。
(これを文字うちして清書、さらに一日寝かして修正)
風魔のときもこのペースだった。
書くという作業は、第一稿においては、仕上げ作業みたいなもので、
時間のかかるのは、それまでの構想のほうである。
一日でどれくらい人は書けるのだろう。
僕は30分、つまり30枚が限界だ。
(乗ってる小説家は100枚くらい書くという。ジャンルは違うけど)
じゃあ120分が4日で書けるかといえば、そうではない。
頭にあって絞り出したら、そのあと充填するまで書けない。
一週間はかかるから、2時間書くのは、一ヶ月はかかる。
集中力、体力、頭の中のメモリ、などなど、
人によって差があるだろうから、
とりあえず僕の場合を書いてみた。
売れっ子と言われる作家は、かけもちとかするしねえ。
僕の、白紙に一から手書きで書くスタイルは、
色々な試行錯誤の末たどり着いた、
一番原始的な方法だ。
原始的ゆえ、一番練度のいる、一番エレガントな方法だと思っている。
ワープロに書き出す方法は、漢字変換に脳のソースをとられて、
内なる声を記録するのにノイズになるので、
嫌いだ。
こういう解説的文章だと、論理的に考えるので文字うちで大丈夫だけど。
いわゆる右脳で僕は脚本を書いているのかも。
脚本は音であるから、あってるのかも知れない。
一日で書ける尺に限界があるということは、
それ以上は複数日かかるということ。
それは、体調や感覚や発想が一定ではないということが前提になる。
「ある気持ち」(衝動のようなもの、作品へのさわり方)は、
一度寝て日を跨ぐと、微妙に変わってしまう。
だから僕は30分以上は慎重になる。
30分までは短編、それ以上は長編として区別することにしている。
こういう雑談、脚本家の知り合いがいないので、
特殊なのか一般的かは、ちょっと分からない。
創作のやり方や、仕上がりは、人によって全然違うものだから。
何かの参考になれば、幸いだ。
2013年12月05日
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