脚本や企画は、あるアイデアから生まれて、
発展的に全てが生まれる訳ではない。
ときどき、遡る考え方をするとよい。
例えば、解決の瞬間から遡って、
必要な段取りや、ストーリーラインを逆算したり、
伏線の仕込み場所を遡って考えることはしょっちゅうある。
あっと言わせる仕掛けなどは特にそうだ。
これとこれが前提だったものを、あれとこれに変更するべきか、
などの構想は、ラストから遡って考えないと妥当かどうか判断できない。
そもそもACT 2は、ACT 1と3を考えてから、
考えはじめることすらある。
ある要素が多いか少ないかは、
最後まで通して考えないと判断できない。
遡って、要素を足し引きする必要がある。
話の車巾感覚が優秀な書き手なら、
最初から揃える材料が過不足ない量になる。
(優秀な料理人と揃える材料の関係に似ている)
さらにそこにオープニングをつけ足して考えたりする。
煮詰まったときは、
そもそもこれは何を狙ってたんだっけ、
とログラインやコンセプト、
あるいはペラ一枚で解説(例えばマスコミ向けの紹介文、
宣伝部向けの売り文句、DVDのパッケージのアオリ文、
パンフレットの解説文など)を
書いてみたりするとよい。
周りの他人に口で説明して、反応を見てもよい。
内容を知らない人の反応を見ながら、
そもそも初手からいけてるのかどうか判断する。
僕はコピーライターでもあるので、
キャッチコピーを、書いたりもする。
キャッチコピーが複雑になるのは、
その作品が、すっと芯が通るものにまだなっていないということ。
ある作品を説明するのに、なるべくそれは少ないほうがよい。
一二行で説明されて、興味を惹かれるものがよい。
それは、作品から逆算しないと出てこないし、
それを決めて、また発展的にラストまで考え直すことすらある。
遡ったり、発展的に書いたり、
構想や企画は、前後するものだ。
迷路に例えるが、入口まで戻って最初は左に行ったが、やっぱ右だったかも、
となることすらある。入口はここではなかった、ということすらも。
更に言えば、プロジェクトに関わる人が多いほど、
大分出来ているのに、途中でそもそもの入口に戻され、
途方に暮れることがある。まあ最近それの多いこと!
最初からキーマンが全員集まって、遡ったり発展したりの試行錯誤をしておくべきだろう。
映画は、頭から見るものなのに、
作るときはそうではない。
遡って考えたり、逆算したり、そもそもを考えたりするのは、
頭から見るものだからかも知れない。
2013年12月07日
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