以前本で読んだのだが、
人種のるつぼで人類は進化するか、という問いの話。
一見、人種が混ざりあうことは、欠点はなくなり、
いいところだけがかけあわさって、進化が加速するように思われる。
ハーフとか美人だし。
が、生物学者の見解は反対で、
混ざった結果一様になってしまい、尖った要素がなくなって均一化される、
というものだった。均一化は進化を促進しない、
進化は混ざりあうことではなく、孤立したところに起こる、
というのが遺伝学的結論だった。
これは遺伝子の話だったが、わりと色んなことに言えると思う。
例えばアイデアだ。
色んなアイデアを混ぜることは、
一見色んないいところを足した、いいことのように思える。
が、それは、尖ったところのない、均一化された平凡なものになることだ。
足りない所があるが、一点突破するぐらい強力なアイデアは、
決して合議制や中庸からは産まれない。
一人の、深い孤独から生まれる。
例えばこれは物語の人間関係にも言える。
前の記事と同じことだが、
全員が一堂に会したら、情報が共有され、
言いたいことも全部出たら、全部が一枚岩になってしまう。
逆に、秘密や独断専行が、ドラマを面白くする。
少年漫画で、敵と死闘したら、仲間になるのもこの原理だ。
全てを出しあったら、二人の人格は混ざりあってしまい、
もうそれ以上別人格である必要はないのだ。
ライバルが仲間になったあと、またライバルという別人格に移行する展開は、
主人公の知らない所でのライバルの事情が関係する。
ここでも、進化(物語)は、孤立しないと起こらない。
男女の関係でも同じだ。
よく恋の相談でも、長続きさせるには、全部をオープンにせず、
秘密を持つこと、とある。
逆に、隠し事一切なしという夫婦には、一枚岩という完成があり、
これ以上の変化(物語)は、生まれない。
ここでの物語とは離反や浮気のことだから、完成した夫婦に物語は必要ない。
進化は孤立から起こる。
混ざることは平均化、均一化でしかなく、進化の停滞で終わる。
何かの際に思い出すと、応用出来るかも知れない。
2013年12月08日
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