なんか、前のログラインの記事は特に人気のようで、
脚本を書く人がログラインをちょいちょい検索してる事が伺える。
上手いログラインは、ストーリー全体を予測させる、という話。
僕的なログラインの書き方は、異物論に基づく。
「Aな主人公がBに出会い、Cする話」というテンプレだ。
主人公の内的問題はAに含まれ、
これは物語の終盤に克服される可能性を示唆する。
Cという全体の動きを想像したとき、
Aとの闘いを内に秘めつつも、
Cを実現する話なのだろう、
そのときAを克服するのだろう、
それを促すのがBであり、中盤はBの世界での冒険を想像させる。
つまり、このログラインがあるだけで、
大体の大筋がイメージ出来てしまうのである。
このイメージされた全体像から外れないように書けば、
それだけで出来たようなものである。
イメージされたベタな物語が、
その通りに実現されるだけでよい。
自信のない脚本家は、ついヒネリを入れてベタに行かないようにするが、
その必要はない。
ベタに書いて面白くならないなら、
それはログラインの時点で面白くない話なのだ。
書いている途中は全体が見えないから、
ログラインは途中で何度か変更される可能性がある。
その全体を一行のログラインに集積させ、
あとはこのログラインから自然にイメージされるベタな物語になっていれば、
それは必ず面白い物語になっているはずだ。
このログラインの書き方ならば、
ACT 1はAをどううまく描写し、Bという異物との出会いを描き、
それがAの克服を含むであろう、Bの世界への冒険を示唆するかを、書けばよい。
ACT 2はBの世界での大冒険だ。ログラインには書かれないが、
Bから想像されるお楽しみポイントが、数々待ち受けているはずだ。
ACT 3は、クライマックスであり、大きな冒険の結果、
最終的にはAの克服が鍵になるだろう。
かくして、主人公は日常へと戻る。
新しい自分として。
というベタな物語が、想像される全体のストーリーだ。
小さなディテールは、書くときに思いつけばよいが、
骨格はここからぶれないのがコツだ。
優れたログライン、
つまりストーリーを的確に上手く一、二行にまとめ、
なおかつ面白そうな全体像を想像させるもの、は、
それだけでシナリオである。
全体と一致するように、
ログラインと脚本全体を、磨きをかけていくべきだ。
今書いている新作のログラインを書きたいのだが、また今度にする。
それくらい、面白そうなログラインなのである。
ここにたどり着くまで、脚本やコンセプトを何バージョンも書いて、
ABCの要素が入れ替わり立ち替わりしてきた。
今回のログラインで、なんとか全体をまとめられそうな気がする。
あとはディテールを詰めながら、
これから想像されるベタな物語を書くだけでよい。
2013年12月14日
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