2014年01月10日

ペラ一枚

我々の業界の用語に近いが、ペラ一枚とは、
A4一枚にまとめた資料のことだ。
一枚以内といっても、キツキツに入ったものではなく、
200字とか400字程度にまとまった分量のことをいう。

つまりそれは、「一概念一枚」にまとめたもののことを言う。

ペラ一枚にまとめるには、
内容の相当の吟味が必要である。

形にする前から、何度も書き直してこれから形にするものの青写真を描いたり、
大体形になってから、この本質とは何かを抽出してみたり。

運動や流れとして完成したものを、
また静止画的な「概念」に干し戻す作業とも言える。


一言でいうと何か。
何が面白いのか。(作者が面白いではなく、みんながここが面白いと思う所)
何が新しいのか。
何が話題になり、共有されるか。
ブームになりそうな熱狂の端緒。
そんなものを、ペラ一枚で書けたら最高だ。

ログライン、コンセプト、企画書をかくのには、
ペラ一枚にしてみるのがよい。

あなたにとって作品は全宇宙だが、
他の全ての人にとっては、
無量大数の数ある面白いことの、一点にすぎない。
その一点は、せいぜいペラ一枚の情報量しか、
まずは見てくれない。

その一枚に、たった一行に、
作品の本質を凝縮するのは、
余程客観的にならない限り難しい。



絵を描く人は、時々キャンバスから離れて、
絵の全体を眺めるという。

あなたが作品の宇宙を外から眺める方法とは、
作品をペラ一枚で表現してみることに他ならない。
posted by おおおかとしひこ at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック