2014年01月17日

オールタイムベスト

この仕事を目指すからには、
自分の中でのベスト映画を決めておくべきだ。
それは自分の中心にいて、
理想の映画、あるべき骨と肉と皮、目標や憧れ、世界の変え方として、
おそらく一生、暗き世を照らしてくれる道しるべになる。

僕は二年ほど前、3000本ぐらいリストアップして、まず50本に絞り、
そこからベスト20を選んだことがある。(10本には絞り切れなかった)
あらためてそれらをレンタルで見て、分析しなおしたこともある。
スピルバーグは新作をつくるとき、必ず何本か見る映画があるという。
僕の中に生きているその映画たちは、永遠に僕にヒントや活力をくれるだろう。
ではその20本を書いてみる。


1 「ルパン三世/カリオストロの城」 宮崎駿
2 「ロッキー」 ジョン・G・アビルドセン
3 「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」 押井守

4 「スパイダーマン2」 サム・ライミ
5 「ニュー・シネマ・パラダイス」 ジュゼッペ・トルナトーレ
6 「打上花火/下から見るか?横から見るか?」 岩井俊二
7 「スタンド・バイ・ミー」 ロブ・ライナー
8 「ターミネーター」 ジェームス・キャメロン
9 「ブレード・ランナー」 リドリー・スコット
10 「髪結いの亭主」 パトリス・ルコント

11 「ゴースト/ニューヨークの幻」 ジェリー・ザッカー
12 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 ロバート・ゼメキス
13 「シザーハンズ」 ティム・バートン
14 「ドランク・モンキー/酔拳」 ユエン・ウーピン
15 「ムトゥ/踊るマハラジャ」 K.S.ラヴィクマール
16 「アニー・ホール」 ウッディ・アレン
17 「2001年宇宙の旅」 スタンリー・キューブリック
18 「汚れた血」 レオス・カラックス
19 「少林サッカー」 チャウ・シンチー
20 「マトリックス」 ウォシャウスキー兄弟
(次点)
「少年時代」 篠田正浩
「キック・アス」 マシュー・ヴォーン
「七人の侍」 黒澤明
「さびしんぼう」 大林宣彦
「トップガン」 トニー・スコット
「ドラえもん/のび太の恐竜」 福冨博


僕は1970年生まれだから、中二から高三あたりまで、
つまり84年から88年あたりに見た映画には、強烈に影響されている。
大学時代、本格的に映画を志そうとしていたときに見たものも、
次に影響を与えている。
結局、好みや人生との重なりがどうしても出てくる。
一人の監督につき一作品に絞った。その人のベストと思うものにしている。
だから僕の好きな監督リストと、そのベスト集でもあったりする。

上位を見る限り、僕が映画にもとめるのは、
「非日常の冒険と恋と、内面の話がうまく融合しているもの」であるらしい。
「完成度」「メジャー性とマイナー性の両立」というのも重要なファクターのような気がする。

映画の「格」って何だろうと考えるときも、
やはりこのようなものが映画だ(あるべきだ)、
と無意識に考えるものがこれらの映画基準であるような。

これらの映画は、僕にとっての、映画の基本セットになっている。
全ての映画は、これらの組み合わせとしてものごとを捉えている気がする。
これらに変わる「基本」が現れたとき、この基本セットが更新されるかも知れない。

最近、見ていなかった70年代以前の古典をよく見る。
「サンセット大通り」「アパートの鍵、貸します」ビリー・ワイルダー
「ローマの休日」 ウィリアム・ワイラー
「ライムライト」チャールズ・チャップリン
「道」 フェデリコ・フェリーニ
あたりは入れたい所だが、個人的にリアルタイム性がないと言う点で、
「ぼくの」ベストには入れていない。

自分の作家性や無意識を探るためにも、
マイオールタイムベストは、ひそかに選んでみるべきである。
個人的には、テレビ番組、特撮、アニメ、漫画、ゲームでも、
このベストを選出したいぐらいだ。



あなたがプロになっても、リストは役に立つ。
あなたが組むプロデューサーたちと、この話をするのだ。
映画の話が嫌いな映画人はいない。誰もが心の中のベストを思って生きている。
その話をすることで、互いの理解が深まる。
普段つくるものと違うことが多い。
今はこうでも、本当はこんなのがつくりたいんだ、という話は、
その場では飲み話でも、いつか実現する時が来るかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 17:18| Comment(6) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
汚れた血がランクインしてるのが意外です!
以前この映画を見たことがあるのですが、
いまいち、見所というかスゴさがわかりませんでした。
全体的に詩的で独特の雰囲気があるな、とは思うのですが・・・
もしよければこの映画のスゴい点を教えていただけないでしょうか。
それをふまえてもう一回鑑賞したいと思っております!
Posted by みゅー at 2016年06月21日 19:33
みゅー様コメントありがとうございます。

オールタイムベストは、どうしても若い頃の影響が強かったものを選びがちですね。
大学生当時、とても美人さんに恋をして、
それが主人公と似たような感じで、
しかもその人がジュリエットビノシュそっくりでねえ。

映画としての凄さは、
若者にはどうしようもない状況を、
無茶してでも越えていく感じが、
定型になく、他に似たものがないので、
オリジナリティーという点で評価しています。
ニューシネマと結末は似たようなものですけど。

ハリウッドにはない構成の方法論、ということでも入れています。
(ヨーロッパの感性はまだ分析出来きれていないけど、
アメリカの油っこさに飽きたときはとてもいいですね)
Posted by おおおかとしひこ at 2016年06月21日 21:02
他人のベスト映画ランキングを知るのは面白いので有難いです。
おしゃべりしてて映画の話題になると必ずランキングを聞いちゃいます。

余裕があったら是非ジャンル別のランキングもお願いします〜!
Posted by 周 at 2016年07月08日 18:06
周様コメントありがとうございます。

映画をジャンル分けすることは、脚本論において相当困難な課題です。
ツタヤのジャンル分けなどは僕は妥当ではないと思っています。
ということで、「映画はどのようにジャンル分けされるのがベストか?」
という答えからやらねばならず、
その時間はございません。あしからず。
ちなみにオールタイムワーストも上げたので、検索してみてください。
(進撃の巨人をあらたにランクインさせてもいいけど)
Posted by おおおかとしひこ at 2016年07月08日 18:28
打上花火/下から見るか?横から見るか?が劇場アニメになるそうですね。
アニメ化する意味がよくわかりませんが。
あれは実写だからこそ良いのでは・・・
君の名は。の新海監督が影響を受けた作品!ていうアオリをつけてアニメにすれば売れるだろ、みたいな魂胆だったらちょっと嫌ですね。
Posted by るー at 2016年12月09日 10:03
るーさん様コメントありがとうございます。

今の日本映画は、「売れそうと思うもの」しか企画が通らない、
という悲惨な状況になっています。
名作か名作じゃないかということではなく、
「売れそうと金を出す側が判断するかどうか」という視点です。
ということで、一応の売れる算段はついたのでしょう。
篠田昇氏を失ってからの岩井は、正直どうでもいい作家になっていると思います。
晩節を汚すのか、再ブレイクするかは、運次第ではないでしょうか。
Posted by おおおかとしひこ at 2016年12月10日 00:43
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