エントロピーとは乱雑さの物理法則化である。
秩序は保たれず、カオスが支配する、
というのがエントロピーの法則の直感的理解だ。
部屋は、放っておくと散らかる、というイメージで大体合っている。
生命の誕生は、エントロピー法則の逆行だ。
カオスへと向かう宇宙に、秩序が生まれたのだ。
何故生まれたか、科学はまだ答えを出していない。
作品の誕生も、エントロピー法則の逆行である。
放っておけばカオスへと向かう宇宙に、作品が生まれるのは、
生命誕生と同じ奇跡が起こっている。
実はエントロピー的な見方での生命誕生にはカラクリがあって、
「カオスに向かう宇宙」は、大局的には、
生命がいようがいるまいが変わらないのだ。
むしろ、エントロピー法則的には、
生命という秩序が誕生するためには、
それ以上のカオスが生まれればよいだけなのだ。
エントロピー保存則のようなものである。
秩序とカオスは足したら一定、みたいな。
実際は、カオスは常に増大する。
人類という秩序が生まれたからには、
エントロピー法則的には、より大きなカオスが誕生したことを示している。
(直感的に分かるように、これは多くのSFの元ネタである)
作品も同じである。
作品と言う秩序が生まれるには、
それ以上のカオスが同時に生まれるわけだ。
探した資料の断片、大量のメモ、そして汚くなった俺。
(「夏への扉」に、「創造的な仕事は男を山羊の臭いにする」
とあって笑った)
何稿もの書き直し。
それらのカオスが、一本の作品には、必ず必要である。
部屋が散らかりまくって、一角だけ美しい秩序が生まれる。
作品づくりとは、比喩的にそのようなエントロピーのことである。
何故か作品づくりを知らない人は、どうして工房が汚くなるか分からないらしい。
整理整頓を徹底すればいいのに、と常識を振りかざす。
カオスが十分でないと、秩序は生まれないのだ。
カオスを恐れるな。発散せずに収束せよ。
作品という秩序を、膨大なカオスから、自己組織化せよ。
作品の誕生は、生命の誕生に、熱力学的に似ている。
カオスカオス書いてたら、風魔2やりたくなってしまうではないか。もう。
混沌の意味のカオスの初出は、風魔が原点だよね?
2014年01月19日
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