2014年01月28日

風魔最終話のワンカット撮影

質問があったので、風魔カテゴリで話しますか。
最終話、小次郎の長台詞に、リアクションショットがない理由。

ぶっちゃけてしまうと、
僕が村井の芝居に感動しちゃって、忘れた、というのが真相。

実は僕は12話を、最初やる予定じゃなかったんです。
でも12、13が前後編になりそうだから、
いっぺんにお願い、とプロデューサーサイドで話がまとまり、
13話だけやればいいやと思ってる僕が、12話をあとで書いたんです。
だから、先に13話だけがあって、12話をあとづけなんです。

13話だけをやるつもりだったときは、
コンテにもあったように、
リアクションショットは撮るつもりだったんですよ。

でもね。
昔から風林火山と木刀に彫ったり、
学ラン超能力者の漫画を中学生の頃に書いてた男が、
目の前で壬生が死に、さんざんかき回した陽炎が死に、
その黄金剣が武蔵に渡される劇的な原作接続劇を経て、
武蔵との最終決戦に来たら、
常軌を逸するでしょそりゃ。
あの決戦の場に、原作ではいなかった姫子や蘭子もいるんだぜ?
何故ワンカットにしたのか?
と言われれば、夢中で忘れてしまったから、
というのが正直な答えなんです。(笑)

なんかね、壬生が死んで、僕の風魔は一段落したんだなあ。
だから、あとは原作通りかなあ、と油断してたんですかね。
(小次郎の成長を竜魔が見届ける、なんて原作にはないし)

僕の中では、オリジナル部分の竜魔は、
「ゆくぞ、風魔の小次郎!」の台詞で、
終わってると思ってたりもするので。


カット割技術的には、
小次郎を見守るのは、
僕ら見ている人全員でいいのかな、と当時は判断してました。
全員の中に、竜魔も霧風も姫蘭も入ってるつもりで。
その前後にも「キン肉マンの試合をみんなが見てるショット」を
入れてしまったので、そこは小次郎一人で持たせるべきかな、
と判断しました。
武蔵との緊張を切りたくないことが優先だったかも。
そのあとの絵里奈出現もあるし。
物語の焦点をひとつに絞るべき、との編集的な判断かと。
(台本での計画よりも、村井の芝居が良かったのもあると思います。
告白→麗羅の死→壬生との決着ときてここだから、
テンションも上がりっぱなしだったし)
それだけ、ワンカット撮影って、難しいんですよ実は。
だから現場では抑えを撮っておけ(あとでさしこめるように)、
と戒められるのですよ。


いつ竜魔や霧風が小次郎をいっぱしと認めたか、
については、たしかにフォローが明確になかったですねえ。
手綱ひきが難しい。だって俺は聖剣編はやるつもりだし。

あ、認める瞬間がなかったからこそ、
「抜け忍小次郎を、竜魔霧風が追う」
という続編のモチーフに繋がるんじゃないですかね。
竜魔や霧風が、夜叉編での小次郎を総帥に報告する場面もあるだろうし。

夜叉編で終わるつもりがないから、
と答えるのが美しいかも知れない。


(原作ファンであれば分かるんですけど、
風小次って、ずっと完結してないことが魅力でもあるんですよ。
僕は最終話で、小次郎と武蔵の決着すらつけるつもりはなかったし。
原作と同様凍りついて終わりにしようと思ってた。
その代わり、「あの病院のスープは熱すぎるんだ」
という名台詞が生まれたけど。
小次郎と武蔵は、リンかけみたいに、
最終話でしか決着をつけちゃいけない、神聖な部分だと思うのです)


僕の中では、まだまだ風魔は続くのです。
だってさ、夜叉姫は自殺じゃないよね。左手でナイフを持ってたんだよ…?
気づかれないように右手でダイイングメッセージを…
おっと誰かが来たようだ…
posted by おおおかとしひこ at 01:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 実写版「風魔の小次郎」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
監督、つまらない自分の質問に熱い答えをくださいまして、ありがとうございました!
コンテを拝見させていただいて、カット割りの指示があるのにあえて外した意図はなんだろうと思っていたのですが
現場はそれだけ熱かったんだろうなあと納得しました。
確かに村井小次郎のあの長台詞の演技は、心にじんとくるドラマの中でも屈指の名シーンでした。
(だからこそ、竜魔たちのリアクションがほしかったというのがあるのですが)

車田先生の公式HPにも、気になる風魔のニュースがあったりして、監督の風魔2に期待してしまいます。
Posted by あたた at 2014年01月28日 23:36
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