僕は乙女座なので、綿密な計算こそが仕事の身上である。
書いている文章や考え方にも、それはにじみ出ていると思う。
全てを理論的に構築し、あらゆることの可能性を考え、
先回りし、合理的な正解を探しておく。
(時に、セカンドベストも準備する)
計算の弱点は、予想外の出来事への対処である。
計算された美しい歯車は、砂利を噛むと機能しない。
これは、脚本にも言えることだ。
ミステリーのような謎解きものは、とくにこれに注意されたい。
しかし、物語には、
綿密な計算をぶっとばすような、何かが生まれることがある。
その何かこそが、その作品のアイデンティティになるようなものだ。
車田作品は、そのようなものだらけだ。
(だから辻褄の合わないところが多く、それを合うようにしていったのがドラマ版だ)
そのパワーこそが、作品にとっては一番だいじなのだ。
綿密な計算は、ときに狂う。
パワーで押し切っていては、辻褄合わせに無理が出る。
その両立こそが、リライトという作業である。
ぶっとんだ要素は陽の力、綿密で繊細な計算は陰の力だ。
撮影現場や編集現場でも、思いもしなかったマリアージュがあることがある。
それをどう拾い、綿密な計算と両立させていくかは、
実は脚本的手腕なのだ。
2014年02月09日
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