2014年03月12日

いつ頃、物語は光を放ちはじめるか

コンセプトやログラインが、シンプルになり、
誰でも分かりやすく、面白そうになったときである。


今書いている新作は、
そろそろ持ち込むレベルに来ている。
最初の構想は秋ぐらいに本格化したから、
もう半年ほど練ったことになる。
再構成や要素の足し引きをくりかえし、
今何バージョン目かの企画書を書いているところだ。

今のバージョンが、
そろそろ光を放ちはじめていると感じた。


第一稿は酷い(しかし初期衝動は一番ある)。
主観的な面白さ、客観的な面白さ、
何を主線にし、
何を副線や補助線にするか、などについて、
随分と考えた。
自分のやりたいことは結局何か、
そもそもの初期衝動は何だったか、
その奥にある、テレビはこうあるべきという思いの正体。
それを、随分とシンプルに表すことが、
ようやく出来るような内容になってきた。

全12話のオリジナルドラマだ。
シリーズ構成も随分前後した。
その為のリライトも随分とやった。

その試行錯誤とは、
当たり前なのだが、何がテーマか、
を考えることなのだ。



初期の思いつき、
様々な発展的思考、
数々のエピソードの創作や全体の想定、
第一稿を経て、
作品は、長いリライトの旅に出る。
第一稿では、一部に光る部分はあるが、
まだ全体が光るには及ばない。

ログラインやコンセプトを何回もつくりなおし、
そのたびに内容を刷新し、
どうやらひとつになってきたとき、
それが新しく、みんながワクワクしそうになってきたとき、
自分にしか分からない専門用語ではなく、
平易な言葉で短く書けるようになったとき、
作品は光を放ちはじめる。


あとは、その光が作品の隅々に至るように、
微調整を繰り返し、ノイズをとって行く作業になる。


別に俺がフィニッシュすることもなく、
他の人がやったとしても、この光自体が失われることはないだろう
(勿論俺が監督すればマックス面白いけど)
というレベルに来ていれば、
それは客観的にも光を放ちはじめている状況証拠である。



あなたの物語は、光を放っているか。
練ること、主線副線補助線を決めること、
テーマをつくること、ログラインやコンセプトがシンプルでも面白くなっていること。
第一稿に情熱があれば、
それをこのような最終目標にしてゆけば、
どこかの時点で、光を放ちはじめる。

それが、作品として生まれたと言うことだ。
posted by おおおかとしひこ at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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