2014年03月14日

あなたが一番熱をもつこと

精神論ではない。

プロは、複数のメンバーで仕事をする。
あなたはあなたのつくる物語に、
一番熱を持っていなければならない。
そうでなければ、他のメンバーが、動いてくれるはずがない。


熱を持つのは、見当違いの方向では駄目だ。
面白い、
ぞくぞくする、
わくわくする、
感動する、
大爆笑、
感心する、
深い、
うれしい、
最高、
号泣、
夢中、
これらの、よい感情を巻き起こす、
よい物語を書く熱のことである。

あなたは、最も厳しい批評者である必要がある。
あなたは、最も贅沢な観客である必要がある。
その肥えた目すら見開かせるほどの、
作品をつくらねばならない。

あなただけでなく、
他の人も、同じ感情にならなければいけない。
読んだ人全員が、同じ感情にならなければいけない。
どんな人が読んでもわかり、
ひきこまれ、最終的に同じ感想を持たれ、
熱を持って語られねばならない。

あなたがとある作品を見て、
こんな面白い作品が世の中にあるんだよ、
と熱を持って誰かに紹介するのと同じぐらいの熱を、
あなたは見た人全てに与える必要がある。

それはあなたの熱意や根性や、
思い入れや予備知識とは関係がない。
純粋に、作品の面白さに比例する。



あなたは、あなたの作品から熱をもらうか。
それ以上の熱をもって書いているか。

作品から得られるカタルシスは、一種の狂信的体験だ。
その熱をもって書いているか。


クールや、こんなもんだろと思って書くことや、
息切れしながら書くことでは、
このような熱は生まれない。
ぎりぎりまで考え抜いた、誰にもわかる真の文学だけが、
勢いのある話だけが熱をもつ。


熱は、伝播する。
スタッフを動かして名作をつくらせ、
宣伝スタッフを動かして名宣伝をつくらせ、
観客から観客に伝わり、噂になり、ブームになる。
その夢中の中心の渦の熱を、あなたはつくるのである。

さあどんな、新しい熱が、あなたの脚本から伝わるんだい?
あなたがその熱を持っていることだけが、
その一番の根拠だ。
posted by おおおかとしひこ at 02:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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