そういえば、このブログに乗せるのわすれてた。
知らない人は、知っておいてほしい。
業界では、「1ページが1分に相当する」書き方がある。
それで全体や部分の尺をはかる。
(15分のブロックなら、15枚で書けばよい、と言う風に)
演じてみてストップウォッチではかる、というやり方は意外とダメだ。
主観的になりすぎて、誤差が開いていく。
日本映画が長年培ってきた経験則のほうが強い。経験上、数分もずれない。
次の形式である。
(標準フォーマット)
・400字詰めの、伝統的なたてがき原稿用紙を使用する。以下の形式で書けば、
原稿用紙1枚ぶんが、約1分換算である。
(wordで書く人が多いため、1ページを800字設定にする人が多いです。
20字×40行に設定して2ページ分書きます。
以下、1ページはオリジナルの400字相当で統一)
・柱(シーン)は、一行で。前後に一行あけて、計三行使う。
ページ先頭に限り、前の空行は不要。
柱の行は、一番上に○(マル)をかき、そのあとにシーン
(場所、昼間以外の時間なら時間帯も)を書く。
シナリオ本にするときにはじめて、この○に通しナンバーをつける。
・ト書きは、3文字下げ。
最初の1文字下げという日本語の書き方は守らない。
ト書き内で改行しても、最初の行も次の行も常に3文字下げで書く。
現在形で書く。カメラのうつすものを書く(撮り方は監督が決める)。
なるべく簡潔に書くこと。
・セリフは字下げなし。
冒頭に名前を、つぎにカギカッコで閉じたセリフを。
名前は三文字のスペースに配置する。つまり、全員の最初のカギカッコが4文字目に来る。
(四文字以上の名前は、このため嫌われる。どうしても四文字以上なら、
そのまま書いて最初のカギカッコも下げる)
ただし、セリフの二行目以降は1文字下げ。
セリフ中に、()でくくって動作を入れ込むこともある。ト書きに出してもよい。
・特殊記号:
N、NA、またはナレ:ナレーション(人物のボイスオーバーなのか、ナレーターかは明記)
T、タイトル、字幕:字幕のこと
× × × :この行で囲んだ部分はインサート扱い
(別のシーンで撮ったものをこのシーン内に入れる。短い回想など。
長い回想シーンなら、シーンを分けて書く)
または、同シーンでも時間経過の区切りをしめす
日替わり: 柱に入れる。同じ場所でも日がかわり、次の日になったことをしめすため。
次の日、翌日、など明確に書くこともある。
季節、天候: 特殊なものなら書く。(デフォルトは普通の日、晴れ)
…、--(3点リーダー、ダッシュ):間を示す…は、小説だと2文字ひと組だが、シナリオは適当。
ダッシュも同じく。第一、間は役者や監督が決める。
・その他:
人物が初出のときは、高橋(32)のように、名前のあとに年齢を入れることが慣習。
人物の名前は、男性は名字、女性は名前で表記するのが慣習。
昔は○○子、などの名前が多かったから、表記だけで性が区別できた。
・表紙、人物表:
本文の前につける。表紙は、題名と作者名以外はマストではない。
人物表は、本文中に出ている名前だけでよい。フルネームはいらない。
どんな人物か、性格などの内面を書くこともある。
シナリオ上必要なら、外見も書く。(片腕、メガネ、などのマスト要素)
逆に、これだけしか、ない。
あとは、あなたの日本語力だけなのだ。
具体例は、「割れたせんべい」などを参照してほしい。
(風魔や作品置き場の脚本は、字下げが別フォーマットで書いてあるので注意されたい)
実際にこれが1ページで正確に60秒になるわけないことは、
ちょっと考えてもわかる。3/4ページが45秒か、というとそうでもない。
しかし、「書いてある意味」が、大体1分相当になる。
文字数が重要なのではない。
意味が、重要なのだ。
何枚分、という分量は、意味の分量である。
それを分るように描き、観客が分るには、その分数がかかる、
という経験的な書き方なのだ。
4/30追記。
脚本添削スペシャル「ねじまき侍」をご覧ください。脚本本体は(8)にあります。
また、分数で構成を比較した議論が、(11)にあります。
いずれも、TOPの「このブログの内容」にリンク貼ってたどれるようにしてあります。
2014年03月14日
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