即興で何かやることが、
凄いことだという風潮があるが、
それは、クリエイティビティを理解しない人の理解でしかない。
台本がないから即興は凄いのだろうか。
では、我々台本書きは、
台本があって台本を書いているか。
否である。
我々が台本を書くのは、即興で書いている。
目の前の原稿用紙を見ながら、
ストーリーの現在と焦点を見ながら、
即興で話の続きを書いている。
即興と違うのは、最後まで一気にやる必要がないことと、
やり直し(リテーク、リライト)が可能なことぐらいだ。
即興は、逆にノー教養や無計画では出来ない。
芸術のルールに対する深い知識、
それを運用するうまさ、
あるネタについての調べものや幅広い教養、
などの引き出しの多さ、
どういう感じを出そうかという方向性があれば、
即興は可能である。
短時間に、というのは凄いことかも知れないが、
それとて準備をしていた可能性はある。
即興は、台本がないのが凄いのではない。
教養や準備、応用力が凄いのだ。
即興で歌をつくる、
即興で詩を書く、
即興で絵を描く、
即興でダンスを踊る、
即興で芝居をすることは、
即興で台本を書く、ことと分野の違う、
同じジャンルの出来事だ。
我々は即興で台本を書いていく。
第一稿でも、リライト中でも。
その意識を常に持とう。
どんなに計画しても、
「新しいこと」という芸術の最先端は、即興である。
2014年03月26日
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