2014年03月30日

つまらない4コマ漫画を面白くする方法

というのをまとめサイトでみた。
物語の本質をとらえた、とても良い方法だ。
検索してみてほしい。

具体的には、次の簡単なものだ。


・2コマ目または3コマ目を削除。
・4コマ目を新しく追加する。このとき、1コマ目と関係のある落ちにする。
(このニュー落ちを5とすると、1245または1345と書き直す)

たったこれだけだ。
適用条件があって、起承転結で既に書かれているのだが、
それでもイマイチな場合に限る、ということ。
つまり最初から不条理4コマで書かれているものには適用出来ない。

これが意味するところは、構造的なメタ的面白さや、
構造を破壊する不条理的な面白さではなく、
正統派の面白さを目指す場合、
イマイチな部分が出る可能性が高い、ということだ。

そして、たいてい、
展開部がたるい、
落ちが落ちきっていない、
の二点の欠点が、確率的に高いことを予言している。


詰まらない映画は、まず展開部がたるい。
最初30分がいかに面白くても、
ACT 2に入った瞬間ダメになる映画は沢山ある。
120分の映画を30分ブロックの4コマだとすると、
ざっくりACT 2の前半30分か、後半30分を切れ、
というのである。
ACT 3の予定だった30分が、
30分前倒してACT 2後半に来る。
たしかに展開は早くなり、クライマックス的な仕掛けである部分が前倒せば、
ACT 2全体は急に面白くなるだろう。

ドラスティックだが、非常に興味深いやり方だ。
起承転結の承は、起に比べ大抵詰まらなくなる。
じゃあ省略してしまえ、という考えだ。
別にダラダラやらなくても、さっさと緊張の高まる部分へ接続して、
面白味を継続させればよいのである。

落ちに関する法則は、これまた素晴らしい慧眼である。
最初の落ちは、大抵落ちていない、
落ちとは、1コマ目すなわち、起に関する落とし方にしなければならない、
という法則だ。

ブックエンドテクニックの例、
主人公の成長を見せる例など、
映画では、最初あったことがどう解決するかがラストシーンであり、
テーマ(この物語全体が、主人公にどんな意味があり、
観客や時代にとって何の意味があるか。語るのは二流で、
感じさせるのが一流)を意味する。

詰まらない映画は、これが出来ていない。
ただこれまでの後半の話を受けてその結末を描いて終わりで、
それが何の意味があったのかが、
腑に落ちないものが多い。
(結局何がしたかったんだ?というのは、そういうことだ)


例えば、先日見た詰まらない映画に、
「偉大なる、しゅららぼん」がある。
結末は、棗(渡辺大)が生きていて転校生としてやってくる、
であったが、それが冒頭部とは関連がない。

主人公涼介(岡田将生)の願望は「友達が出来ますように」だった筈だが、
それが棗である、ということは劇中を通じて焦点が合って
語られていたことではなかった。
むしろ、淡十郎(濱田岳)という友達が出来た、
ということのほうが、冒頭部の帰結としては正しい。
転校生である主人公に、へんてこだけど親友や友達が出来ました、
という、力とかとは違う、日常的なものが普遍である、
という友達落ちが、
本編のテーマかどうかについては微妙ではある。
これをテーマにするなら、力という血生臭いものを、
さらに推し進めて描いて、対比するべきだ。
それが観客にどんな意味をもつか、という所まではいききれないが、
少なくとも、淡十郎や棗や大野いとと、
美術部で騒いだり力を誤った方向に使ったりなどのドタバタ、
そこに馬に乗った深田恭子が乱入してくるドタバタを描き、
「愛すべき、友達が出来ました」というナレーションで終わり、
冒険で割れてしまったカワラケ(願いを叶えれば割れる)が映れば、
一応の大団円にはなったのではないか。
(ついでに、八郎潟で結婚の約束をしていた娘が60年後ばあさんになって、
源じいを訪ねてくる、というフォローも必要だろう)

これらのエンドを挿入する分、ACT 2のどこかをざっくり切ればよいと思う。
あまり覚えていないが、校長の反乱以前のどこかで良い。
(校長の反乱に代わる、何かをACT 1の15分ではじめる必要がある。
危機が迫っている大事件だ。それは校長の仕業だったのだ、と繋がなくてはならない)

この脚本には様々な欠点があるが、
テーマが分からないことが、
最大のモヤモヤを生んでいることは間違いない。
原作にないから、というのは逃げに過ぎない。
映画にテーマがないなんてあり得ない。
仮に冒頭部のものを使って、「友達が出来る」ということを係り結びとしたが、
一応の落ちでしかなく、テーマ的な落ちではない。
原作にないのなら、
この映画のテーマは何か、決めるところからやるべきだ。
逆にいえば、テーマは1コマ目と4コマ目の連関でつくるのだ。



詰まらない4コマを面白くする方法は、
詰まらない脚本のリライトを、
大掴みに考えることの出来る、優れた方法だ。
2ちゃんの書き込みからはじまったのだが、
書いた人はリライトに慣れた編集者かシナリオライターではないだろうか。
posted by おおおかとしひこ at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック