ドシロウト様、コメントありがとうございます。
(この記事は桃太郎の記事のコメントに答えています)
今時のちょいワルヒーローパターンですね。
あると思いますよ。
「正義に目覚める」という変化が、
話のポイントになりそうですね。
ただ、
「流浪の賞金稼ぎがどうやって正義に目覚めるか」
について、具体的な面白いドラマが必要です。
元々悪人が正義に目覚めるのか、
正義を信じられなくなった桃太郎が再び正義に目覚めるのか、
それによって話の骨格は変わりそうです。
また、正義に目覚めなくても、
鬼を倒すことは可能です。
悪党なんだけど憎めないパターンの役ですね。
(小栗旬では役不足かもなあ…。伊勢谷とかのほうが面白そうだ)
その場合、桃太郎の変化や成長がなんらかの面白いドラマになっていないと、
しんどいとは思います。
(その直感が、「正義に目覚める」を追加しているのでしょう)
いずれにせよ、
一番大事だとした桃太郎の最初の動機が、
単なる金稼ぎではちょっと弱いなあ。
冒頭15分ぐらいまではもつけど、
第一ターニングポイントで、
仲間集めの旅に出る、本格的な個人的理由が必要な気がします。
(「七人の侍」では、食い詰め者たち、という設定が斬新だったけど、
このパターンはもう使えない。となると、桃太郎個人のドラマが必要)
さて、この話は、
「自分より強い奴を倒せ」というテーマを表現出来るでしょうか。
残念ながら否かと。
「正義と遠い者が正義に目覚める話」、
というログラインは書けそうですが、
正義に目覚めることと、自分より強い奴を倒せ、は、
関係ないものです。
「正義を示すには、強い奴を倒すこと」ということは、
一般的な常識ではありません。
強い奴を倒さなくとも、正義は示せます。
(勿論、より強いほうが燃えるけど)
自分より強い奴(鬼)を倒そうとするのは、
最初は賞金、次は正義のため。
自分の命を正義のために差し出す勇気は、
どこから発生しているかを考える必要が出てきます。
そこが納得のいく、ありがちでない話がつくれれば、
この話はオリジナルになりそうです。
(そしてこれはよくあるパターンのため、結構な難題かと)
その勇気が、
「何故自分より強い奴を倒そうとするのか」に
答える形になっていないと、
感情移入およびテーマの、一本の線がつながらず、
とっちらかったものになってしまうでしょう。
実は、「自分より強い奴を倒せ」は、
映画のテーマとしては、非常に難しい題材です。
経験のある大人ほど、
負ける可能性がある戦いは挑みません。
命がかかるなら尚更です。
無謀だろそれ、という突っ込みをかわす、
命を落としても構わないだけの、
強い理由が必要なのです。(それが彼の動機)
強いヒーローが自分より弱い奴を倒すのは、
それは単なる仕事であり、限界値を越えることではないです。
限界値を越えて何かをしなければならない理由。
死の恐怖をこえる理由。
それこそが動機であり、感情移入の素なのです。
ちなみに、僕の書いたパターンでは、
放っておけば鬼以外の理由で村ごとなくなってしまう、
という締め切りが桃太郎の動機です。
嫁か親友は、多分殺されて個人的復讐の動機となるでしょう。
(※ 正義は関係ないです。個人、村人としての動機です)
クライマックスで、鬼側も桃太郎に協力しはじめる、
という構造を加味することで、
仲間を集めて巨大な敵を倒す、という話を成立させています。
テーマを示す三幕で、はじめてそのパーツが揃うように工夫してあります。
正義に目覚める、という話を創作してみてください。
何故桃太郎は、どうやって正義に目覚めるのか?
単なる復讐は正義といえない。
人助け?
何故今まで人助けをしなかった桃太郎が、
今回に限って人助けという正義に目覚める?
鬼の理不尽さに出会う?
何故今まで流浪の賞金稼ぎが出会ってきた理不尽では、
そうではなかった桃太郎が、
今回に限って理不尽さに怒る?
どんなパターンでもよいから、
どういう事件で、
今まで正義を否定(無視)していた桃太郎が、
正義に目覚め、俺が鬼退治をする、と言うかを考えてみてください。
そこのドラマが面白ければ、このパターンの物語はありえます。
(しかも、正義と、自分より強い奴を倒すことの、
二重のテーマをひとつに統合しなければならない。
例えば自分が戦いで命を落とす可能性について、
あなたの桃太郎はなんと答えるでしょう?
僕はプロの勘で、その難しい課題の答えを出せそうにないので、
その線はない、と考えてしまいます。
あくまで僕の経験値からの判断なので、
それを越える凄いのを期待します。
ちなみに、ビジュアルやテーマを変えるのは禁止です。
ガワだけつくって中味をつくらないことが、
いかに無責任かを実感してみてください)
2014年04月09日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック