前回までで、一応の完成形ができました。
テーマとタイトルとコンセプトとログラインが一致し、
全ての理屈に矛盾のない、
感情が動くプロットです。
すぐ書きはじめてもいいのですが、
大人はここで一服して、別の可能性はあるか?と考えるのです。
そもそも、
仕官する、職人になる、肉体労働者になる、
というみっつの落ちを考え、
第一の落ちから発展させて考えたバージョンでした。
職人になる、というのは、
半分「ねじまき侍」に入っています。
純粋に、職人に弟子入りする、
という落ちもいいかもです。
しかしねじまき侍のようなキャッチーな落ちになりそうにないのが難点。
まあ元で充分第二の落ちを含んでいると言えます。
第三の落ちは、意外と僕の好きなパターンです。
しかしこれは、おりょうありきの落ちです。
おりょうをACT 1に出すことは可能ですが、
ACT 2でどう絡ませればいいのか、
ちょっと手がかりが見つかりません。
ねじまき侍は、次郎丸と河童の話になっていますが、
第三の人物、おりょうを含めた、
三人の話にする必要があります。
すると、賭場におりょうが迎えに来て、
二人で流れ星を目撃、二人で追い、
二人で河童と出会う、などにバージョン変更する、
というアイデアが湧いてきます。
としたとしても、
テーマは何かを考えるべきです。
次郎丸の落ちぶれたことは、
何をもって解消するのか。
この場合、抜けない刀を象徴として使わない、
という選択肢も考えられます。
肉体労働者として生きるなら、
刀は必要ない、と刀を捨てることでしょう。
時計の話もなしでいいでしょう。
となると、次郎丸は何を得て何を失うか、
創作していくことも可能ですが、
それと河童が関係ないような気がしてきます。
さて、不動点を次郎丸の乾きにしていましたが、
ここすら変えることも可能です。
侍でいられない、ある理由などを創作し、
河童との出会いでそれに向き合わざるを得ない、
などのドラマを組んでいくのです。
それが流れ星に関係しているのなら、
「流れ星の侍」というタイトルを変えなくてもいいかも知れません。
このように、色々な順列組み合わせを試してみることは、
自分が気づいていない金鉱脈に気づかせてくれる可能性を生みます。
おりょうを捨てなくていいバージョンもあるかも知れません。
実際の所、初手でこれらの迷路の正解を引いている保証はないのですが、
ベテランほど、正解に早くたどりつきます。
それは、これらの順列組み合わせの経験が長いからです。
特に初心者のうちは、
このようないくつものバージョンを考えることは、
自分の書ける話のバリエーションを増やすことと、
密接に関係します。
僕は今の所ねじまき侍がベストと思っていますが、
他のいいバリエーションがあれば、
是非コメントを下さい。検討してみる価値はあるでしょう。
さて、そろそろ書いてみましょうか。
おっと、その前に、まだやることがあります。
キャラを立てることです。
2014年04月24日
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