2014年04月29日

分裂症を防ぐ会話劇のコツ

人形ふたつ用意する。
これに会話させるイメージで。実際口に出してもよい。
子供が人形遊びでやることを、実際にやるのだ。


使う人形は、そのキャラの本質を示した何かであるとよい。
人間の形をしていなくてもよい。
「ねじまき侍」なら、たとえば徳利と河童人形でいいかも。

三次元の立体物がよく、
二次元の写真や似顔絵やデータはダメだ。
必ず、この世に存在している「モノ」がよい。

コップ、小物、飴、とにかく手で持てて、モノ対モノの会話を、
人形劇のように出来るものがよい。


呪術に詳しい人なら、これは呪術の基本でもあることに気づくだろう。
生命のないモノに、命を吹き込む行為なのだから。

完全に書き終わったら、そのモノは破壊し、焼却する。
または箱にしまい(普段見えないようにし)、
大切に保管してもよい。


会話劇を書くことは、
大げさに言えば、自分の別人格を呼び出す行為だ。
脳内だけでできる人は器用にやればよいが、
脳の外に出し、直接触ることで発想のきっかけにするとよいだろう。
Aが喋るときにBはどう聞いているか、脳内でビジョンの出にくい人も、
目の前のブツを見ればイメージしやすくなる。
しかもこの方法は、会話が客観的に面白いかどうか、
目の前で検証できるのだ。

なお、ブツブツ言っているところを見られたら、
これは脚本を書いているのである、と説明出来るようにしておかないと、
あっち側にいった人になるので注意。
自分の部屋以外ではやらないことだ。


二人の会話ならまだしも、
同時の5、6人の会話では、その現場を簡易的につくり、
その数のブツを置いてイメージするとよい。
こうしないと、発言者以外は何をやっているか、
をイメージしにくいのだ。
死の間際の壬生の言葉を、黙って聞いている風魔(12話)のような、
へんてこな場面を避けることができる。(まあ、様式美という納得をしてたけど)

映画においては、
「その登場人物が出ていないシーン」というものが必ずある。
その間何をやっているか、ブツがあるとイメージしやすいだろう。

脳内だけで時間軸も含めた4次元空間を常に作り出すことは難しい。
だから、人形のカタチを借りるのだ。


登場人物の似顔絵や全身像を絵にかくことも、
同様の力があるが、これは絵を描く能力に左右される。
しかしこれでも二次元だ。三次元のほうが強い。
何故なら、映画はアニメではなく、立体物を撮影するからだ。
posted by おおおかとしひこ at 17:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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