目を疑うつまらなさだ。エピソード1。
えっと、0しばりはもういいんでしたっけ。
(5/19追記:検索でピンポイントでたどり着く方が多いので。
このブログは、「ストーリーとは何ぞや」という脚本論について書いています。
前回の桃太郎エピソード0では、そのストーリーの無さを批判し、
じゃあ映画にするなら何が必要かを、ためしにプロットをつくることで示しました。
そもそもの議論は、クリエイティブの反対語は「イミテイティブ」だ、
という所からはじまっています。
一連の議論は、トップページ最初の記事「脚本論」からリンクをたどれます)
ダメなCMの特徴は「出落ち」だと以前書いた。
だからその続きは、「新キャラを出すことで出落ちループを続ける」
という特徴がある。
今回の「ゲスト」も、その駄目パターンの王道に陥った。
エピソード2でも同じことをやるか、見物である。
既視感しかない映像の、底の浅さはなんだこりゃ。
おそらく今回のパクリ元は、前回分に加え、
「キルビル2」(五点掌を語る場面)と、
パルクール剣道「ウルヴァリンサムライ」である。
その系譜のバットマンビギンズやSW1なども参考にされているだろう。
桃太郎の動機のなさ、宮本武蔵の動機のなさ。
物語はそこにはなく、表面的なファッションだけがそこにある。
イミテイティブ。これはクリエイティブの反対語だ。
せめて二刀流のファッショナブルな殺陣ぐらい、提案して欲しかったところである。
(宮本武蔵の父、無二斎は十手術の継承者で、
左手に短い十文字槍のような特殊な十手、右手に太刀を持つ使い方をしていた。
武蔵はそれを小太刀と太刀に改変したのだ。
昭和の撃剣興行という剣道の興行には、頻繁に竹刀二刀流がいたし、
今でも公式試合でたまに見かける。その型を使えば良いのに。
そういう基礎的な事実を、なぜ調べないのだろうか。
ついでに、「桃太郎」の話は鬼門=丑寅の方角:だから鬼は牛の角と虎のパンツ、
を、反対側の申酉戌で封じるという話である。
呪術的な話もふくみ、古代の異民族支配史にも触れる内容だ。
それを何故無視したのか。SFというには時代も違いすぎる。単なる無知?)
一連の桃太郎批判と再構築の過程は、トップページの記事、
「脚本論」内のまとめへどうぞ。
2014年05月09日
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宮本武蔵は名前だけでキャラが強すぎるので『たけぞう』という名前の村の外れにひっそりと住む、嘘つきでさらに卑怯者(ある意味兵法者としての宮本武蔵らしく)として有名で、どう見ても華奢な嫌われ者の世捨て人にしてみたのですがどうでしょうか?人嫌いだが本当は村人と関わりたく、村祭りにも実は参加したい捻くれ者。一度敗れて帰還し、絶望した桃太郎が村人の会話(ありゃオオカミじゃねえよ。また、たけぞうじーさんが独り言してやがる、嘘ばっかり、こないだも俺は天下一だとか、鬼を斬っただとか、、困ったもんだぜ)を聞いた桃太郎がたけぞうを尋ねる。世捨て人の為、近づき難い程に、臭い。「鬼、、斬り」とつぶやく声とただならぬ気迫からこの人が本当に鬼を倒した事ある凄い人だと確信しかけるも、実はたけぞうじーさんは単純に腹が減り、飯が欲しく「おにぎり」、とつぶやいてただけ、なんてコメディータッチを考えたのですがこの路線はどうでしょうか?
虎のパンツは後付けですよ。
鬼と言えば酒呑童子が有名ですが、虎皮の褌を付けてない絵はたくさん残っています。
http://www.city.fukuchiyama.kyoto.jp/onihaku/densetu/index.html
とか
http://sma-collection.suntory.co.jp/
からの
http://sma-collection.suntory.co.jp/collections/SPHT0300105000000066.jpg
とか。
探せばたくさん出てきます。
割りと 基礎的な事実 だと思ってましたが。
Episode 1 が、なんだこりゃ、って出来なのは同意しますが、他人の無知をなじるなら、少しは調べてからの方が良い。
yahooやgoogleで検索上位になりつつあり、ご新規さんが増えてるようで、ありがたいことです。
「桃太郎」物語は、いわゆる民話や伝説ですが、
古代の歴史的事実が物語化した説もありますね。
僕の好きなのは大和政権と吉備国の戦争説です。
鬼を妖怪ではなく異民族とするのがリアリティーがあると思います。
それが江戸期の「御伽草子」には「キャラ」として定型化したんでしょう。
キャラ化したときに陰陽道などを借りたかと。
僕が本文で触れている「鬼」は江戸期のもので、
Winnieさんの言ってるのは、もう少し時代が前の、主に平安末期の「鬼」ですね。
僕は桃太郎伝説自体は、さらにその昔、播磨を支配した秦氏を鬼とみた、
吉備国あたりの局地戦闘ではないかと想像しています。
>>さる様
この記事は、一連の桃太郎CM批判と再構築の文脈で語られています。よろしければTOPのまとめからたどってください。
フィクションの世界に実在を出してくるのは、嘘のつき方としてはちょっと反則だなあと思っています。
読んだ上でも「発想が貧しい」のなら、それは甘受いたします。