2014年05月17日

「つづく」詐欺2:一見凄いストーリーに見せる方法

「つづく」詐欺を続ける一番簡単な方法。
それは、
1. 最初に気になる謎をふっておいて、その詳細など考えず、
2. あとは出落ちを続けることである。


最初に気になる謎さえつくれればよい。
謎解きの見事さや、驚愕の真実や、
納得がいく一本の意外な糸や、
知ってしまうと世界がひっくり返ってしまう謎まで、
考える必要はない。
ただの、「これは凄いことがありそうだ」という前ふりだけでよい。

ここが出来たら、
あとは、「つづく」詐欺のパターンに入る。
新キャラや、謎めいた新事実を新たに追加し、
時系列のあと、前、または別の場所から、
そもそもの謎に接続して「つづく」にするとよい。

次に、それを印象的にする、「出落ち」を発想するとよい。
登場シーンが凄い印象的で、
このあと一体何が起こるのだろう、と期待させ、
そのあとはそれほど目立たなくていいものを。
(あとから考えればアレ出落ちだったんじゃん、
となるが、その時その時テンションがピークならあとあとばれない。
気づかれた時はもう終わったときだ)

謎の進展はちょいちょいやってもいい。
最初に前ふった謎は、少しずつ解ける。
解けると思ったら新たな謎が増える。そしてつづく。
あとは出落ちで、時系列の前後や違う場所へテンションを渡していく。


実質の物語を創作しない、「思わせ振り」だけで繋いでいくのだ。
流石に良心がいたむので、
ちょいちょい面白エピソードを挟めば、
それで誤魔化される客も沢山いるはずだ。


詐欺の手口は、このようになっている。


キャッチーな謎(解決がペアになる必要なし)をつくれる人、
キャッチーなキャラをつくれる人、
すなわちデザイナーが、
ストーリーテラーのふりをすることが出来る。

ペプシ桃太郎は、エピソード0と1を見る限り、
正にこの詐欺方法でつくられている。



では、詐欺ではない、ストーリーテラーには最低限何が必要か。
オチである。
事件とオチのペアが、ストーリーの最低限必要な構造だ。

事件を最初の謎とすれば、その解明までをやって、
オチがついて、
はじめてストーリーなのだ。


それをする能力がなくとも、
謎と、強いキャラの出落ちと、「つづく」詐欺の才能があれば、
ストーリーのふりをすることが出来るのだ。
その才能を持った人は、ストーリーテラーの才能の人より、
だいぶ多いだろう。

オチのない「途中」や「期待感」を信用するな。
それは疑似ストーリーの詐欺かも知れない。
posted by おおおかとしひこ at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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