2014年05月27日

正しい予告2

とある主人公の日常に起きた、ひとつの事件。
それは、もっと大きな大事件の予兆に過ぎなかった。
なんと、○○が○○だった!
果たして主人公は、○○を解決出来るのか?!

が、正しい予告だと考える。
これはつまり、ACT 1のダイジェストだ。


センタークエスチョンの提示が、その肝である。
平凡なセンタークエスチョンではヒキが弱い。

「地球の運命は、たった一人に託された」は、
最も平凡なセンタークエスチョン(地球は救われるか?)のひとつだ。
このような平凡さの場合、危機のほうの面白さにフォーカスして誤魔化す。
新しい危機を売り物にするパターンだ。
果たして地球は救われるか?ではなく、
この危機を乗り越えられるか?のように見せると、新味がある(ように見える)。

つまりは、そもそもの脚本のセンタークエスチョンが、
面白くないと、この正しい予告は、面白くならない。

「自分のせいで起こってしまった、過去の両親の出会いを成立させ、元の世界に戻る」
(バック・トゥ・ザ・フューチャー)、
「コントロールを失った恐竜の島から脱出する」
(ジュラシック・パーク)
「ふってわいたアメリカンドリーム、世界戦に勝つ」
(ロッキー)
「この世界は夢の世界だった。真の世界での人類解放を目指す」
(マトリックス)
「心の美しさがビジュアルの美しさに見えてしまう催眠術をかけられた。
超デブなのに美人に見える女と恋をする。催眠術が解けたとき、その恋は?」
(愛しのローズマリー。尚本編はこれで期待されるほどには満足がいかない)
「臨時講師と嘘をついて小学生の講師に。何も知らない素直な生徒にロックを教える。
嘘がばれて首になろうとしたとき、『ロックは世界を変えるんじゃなかったのか』
と生徒に言われる。それを証明するため、ロックバンドコンテストで優勝を狙う」
(スクール・オブ・ロック)


全て、センタークエスチョンが予告での最大のヒキとなっている。

脚本とは、このスタイルで書かれているのがベストだ。
物語のセンタークエスチョンが、予告編の最大のヒキになるものだ。

ACT 1は、様々なことをこなさなければならない30分だ。

主人公の日常を描き、異常と出会い(異物)、
それへのリアクションを描かねばならない。
主人公の内的動機と外的動機のふたつを仕込む。
ACT 2以降で使う世界の伏線も張りつつ、
事件の進行に興味を持たせなくてはならない。
同時に初期の感情移入、「この状況から主人公がどうやって脱出するか見てみたい」
という興味をひく必要がある。
事件への反応や行動を追う中で、
話がより発展しなければならない。
世界はもはや、後戻りして元の下らない世界に戻るか、
相当のリスクを負い冒険の旅へ出るかの瀬戸際まで異常化してゆく。
こかで、主人公は冒険への言い出しっぺとなり、
責任を負う。
このとき、センタークエスチョンがはっきりとされる。
○○は○○になるのか!?のように。

このダイジェストが、正しい予告だ。


正しい予告には、これにオカズがつく。
ACT 2のお楽しみポイントである。
異常事態の面白さだ。

バック・トゥ・ザ・フューチャーなら、ロックバンドコンテストや、
いじめっこの話、
ジュラシック・パークなら、デカイ恐竜や小さい恐竜やティラノサウルスに宙吊りにされるところ、
ロッキーなら、エイドリアンとのラブストーリーやミッキーとのドラマ、特訓、
マトリックスなら、異次元バトルや特訓、トリニティとのラブストーリー、
愛しのローズマリーなら、本当はデブなのに美女と勘違いしたままのギャグ、
スクール・オブ・ロックなら、子供たちとの交流、いかにロックが世界を救うかという主人公の本気、
などだ。

正しい予告には、クライマックスのビッグビジュアルがつく。
バック・トゥ・ザ・フューチャーなら、時計塔に雷が落ちる、
ジュラシック・パークならティラノが体当たり、
ロッキーなら試合シーン、
マトリックスならバレットタイム、
愛しのローズマリーなら、デブ彼女を抱き上げるところ、
スクール・オブ・ロックなら、バンドコンテストでの演奏だ。


つまり、正しい予告編の構造は、
三幕構造そのものなのだ。

最近の予告編がダメなのは、
これを把握してないものが増えたことだ。

あるいは、三幕構造がしっかりしていない映画を、
どうにかして売るための方法論ばかりが発達して、
いざど真ん中が来たら対応出来ないのかも知れない。


あなたは、予告編が既に三幕構造になっているべき、
面白いセンタークエスチョンと、三幕構造を書かなければならない。
posted by おおおかとしひこ at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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