2014年05月29日

カードによる整理メソッド

短いワードをカードにかき並べかえたり、
足したり引いたりする方法は、
ごちゃごちゃになったアイデアを整理したり、何が足りていないか把握する方法だ。
ブレストや発想法など、脚本以外でも使われる方法論である。

脚本でも、カードで考えを練る方法が伝統的にある。
日本では「ハコ書き」として8つの段落にわけ、一行ずつプロットを書く方法がある。
一行をカードして考えれば、これはカード方式と本質的に同じだ。

シド・フィールドは14枚で30分、計4ブロック、
ブレイク・シュナイダーは10枚で30分、計4ブロックをそれぞれ推奨している。

以下、ぼくなりのやり方を紹介してみる。


カードは、5センチ角ぐらいの付箋を使う。
デスクのおねえさんが伝言を書いて貼りつける用の普通のやつだ。
ペタペタ貼ってはがせるのがいい。風で飛ばないし。
デジカメはあると便利。大きく並び替える前に、一回記録をとって安心できる。
(しかし実際の所、アイデアを分類する為にカードを使うので、
全てのアイデアに慣れ親しまないと意味がない。
だから、再びカードを並び替えて元に戻すのは、デジカメがなくても出来なければならない。
デジカメを用意すると、本気で覚えなくなる傾向があるので、
オススメではない)

気分が乗るようにカワイイ色のものを使ったりするが、
色による違いはない。色違いで分類するのは、後半である。

最初、アイデアを分類せず、なんでもフラットに出すことが大事。
だから色はなんでもいい。


アイデアの分類は、色ではなく並び替えで行う。
カードは色分けするものではなく、「並び替えを試す」ものだ。

カードは何枚でもいいし、作業スペースはどれだけでもいい。
実際のところ、尺によって変わってくる。


CMサイズなら数枚とA4一枚程度のスペース、
15分なら数枚から10枚ぐらいのカードと、広い机。
二時間なら、100枚ぐらい(17x4=68、10x4=50などの、先達の言う枚数でもよい)、
広い机で部分的にやるか、壁やホワイトボード一枚分のスペースを使う。

原作つきなら、原作のアイデアの分解に、
100から300の付箋と、部屋の2、3面くらいの壁が必要だ。
(この「アイデアの間」みたいな、何もないスペースを借りたいが、
自室で代用するしかないねえ)


このスペースに、
カードを並び替えてひとつの物語を構成していく。
並び替えることと、アイデアの中を歩き回ることに、
一番時間を使う。


カード一枚には、ひとつのアイデアが原則。
何を書くとよいだろう。
色々だ。

動詞は良い。プロットの骨格だ。
気持ちも良い。情緒や感情だ。
台詞も良い。
台詞のやりとりの例も良い。
ビジュアルアイデアも良い。
見た目のことも大事だ。絵を描いたり写真を貼ってもいい。
音楽のアイデアがあるなら、ジャケを張ったり、編集して流せるようにするのもよい。
面白い設定も良い。
見事な伏線やその解消も、ペアのカードにする。
なにか場面が浮かんだなら、
その場面のアイデアを複数枚のカードにかいてまとめておく。
登場場面。
過去。
テーマ。サブテーマ。
重大な決定、それがどういう場面か。
展開のアイデア。
場所のアイデア。部屋、日常のスペース、非日常の場所。
具体的な場所がモデルなら、そこの写真や図面。
登場人物の癖やキャラ立ちに関すること。
こだわりで、どうしても入れたいところ。

などなどだ。

これらを並び替えているうちに、
一本の線が見つかる。

それがストーリーだ。


ストーリーが形をなそうとしているとき、
色々な思いつきが出てくる。
それを追加するのも良い。

どれかを使用しないと切って捨てるのもよい。
ごっそり落とすブロックもあってよい。
ゴミ箱フォルダをつくり、たまに眺めて復活させても良い。


並び替えをしているうちに、
重要なことと、脇のことが決まって来る。
重要なことはメインキャラに任せ、脇のことは脇役にやらせるだろう。



さて、並び替えに満足してきたら、
「一番大事な一枚」を決めるとよいだろう。

全てはそこからはじまり、全てがそこにひも付き、ぶら下がる、
たったひとつの大事な一枚をだ。
複数枚ではまだだめだ。たったひとつのものを決める。
それがコンセプトである。

それが強い一枚になるように、
周りから強化していっても良いし、
並び立つ何かを捨てて、強調しても良い。
(多分そのケースが一番多い。たいていアイデアはカオスで、
邪魔なノイズを消すことで一番が光り出す)

全てのアイデアが、
ひとつのメインコンセプトに関連するようになるようなものが理想だ。
それを「練り込む」という。

その中で、おはなしが面白く、
意外性に富み、飽きず、感情移入するものでなければならない。



カードによる方法は、
実際の執筆以前の、ブレインストーミング方法に過ぎない。
カードを並べてもストーリーにはならない。

ストーリーは、あなたが書くものである。
何度も書く経験をしていないと、カードによる整理は無用の長物だ。
まずは書いて書いて書きまくったうえで、
アイデアの整理の仕方や練り方を、徐々に覚えていけばよいだろう。
posted by おおおかとしひこ at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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