これを書けば、映画のプロットとして完璧だろう、
と思われるものをまとめてみる。
プロットとは何か?
と思ったら、以下を思い浮かべるといい。
これに達していないのは、プロットとして不完全だ。
(不完全なプロットでも、執筆段階で化けることは、まれによくある)
・まず一行目に、感情が書いてある。
それは、見終えた後に残る、主な感情だ。
これを残せれば、おおむね「面白い話」だと思ってよい。
・ざっくり言うと、「事件が起こり、それを主人公が解決する話」が書いてある。
・それは、異常事態で、危険があるのがいい。
・それは、三人称視点が前提で、一人称視点のお話ではない。
(話者の主観や判断や推測が入ってはならない。客観的事象のみで語ること)
・すべての文は、書いていなくても、「だから」「それゆえ」でつながっている。
それはすべてが因果関係で結ばれているということだ。
・例外は、「ところが」の逆接。これはターニングポイントである。
・すべての文は、ある焦点を追っている。
明示しなくとも、「今気にしなければいけないこと」が焦点だ。
これがなんらかの理由(一時的解決、逆に話がややこしくなるなど)で、
「今」気にしなければいけないことが変わるポイントを、ターニングポイントという。
・その事件にまつわる登場人物は、複数である。一人では映画にならない。
・その人々は、事情や目的や動機や立場が主人公と必ず異なる。
したがって、主人公や他の人と、もめる。これをコンフリクトという。
映画とは、コンフリクトの解消と、主人公の事件解決までのお話だ。
・主人公や、その他の人物について、複数のストーリーラインが走ることはよくある。
それぞれに、複数の焦点があることも多い。
つまり、映画とは、複数の人物、複数のストーリーライン、複数の焦点、
複数のコンフリクトの同時進行だ。
・主人公が、事件の最終解決を担う。三人称視点では、もっとも目立つ人物=主人公だからだ。
・のちのち残る話なら、なんらかのテーマが物語にはある。
・それは、「主人公の解決の仕方」で暗示されるものだ。
・それは、「真実とは限らないが、真実かもしれないこと」であると面白い。
・ハッピーエンドなら、逆のバッドスタートである。つまり、最初は
「真実であってほしくない状態」からはじまる。
・三幕構成になっている。120分なら、それは30:60:30のリズムだ。
プロットは、それを想定して書かれている。文字数が比例しているのが理想。
・それぞれの幕切れの大ターニングポイント、すなわち、
第一(大)ターニングポイント、第二(大)ターニングポイントでは、
センタークエスチョンが具体的な焦点になる。
第二幕は、直前の第一ターニングポイントで示された焦点を解決する60分、
第三幕は、直前の第二ターニングポイントで示された焦点を解決する30分だ。
・第一幕では、
「事件が起こり」「主人公が事件にのりだす」ことがどこかであること。
・第二幕では、
コンフリクト、もめごとが主に起こる。
・第三幕では、
主人公が事件を解決し、その解決の仕方がテーマのかわりであること。
がそれぞれ必要だ。
・パクリは、オリジナルではない。
とても全部の条件を満たしたものを書くのは無理だよ!
初心者からレベル高すぎだよ!
そりゃしょうがない。
映画ってのは、簡単でレベルの低いものじゃない。
人生を捧げる深い価値のあるものだ。
その奥義の解説が簡単な訳ないじゃないか。
ある程度マスターするには、
身長分原稿用紙を潰さなきゃものにならない、
って言われる世界なんだ。
先は長い。ほんとうに長い。
それに必要なことを、全部書いたつもりだ。
でも、一番本質の奥義は、
多分キミが最初に映画からもらってる筈だよ。
初めて映画を見たときの、
初めて名作を見たときの、
あのワクワク、あの感動、あの深さ、あの高揚。
それと同じようなものをつくること。
それが、面白い話をつくるってことなんだよ。
プロットを書けるだけじゃ、プロットライターだね。
脚本をフィニッシュするには、
脚本を書けなくちゃいけない。
次回から、執筆編に突入だ!
2014年06月09日
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