5のものに、5を足して、5を足して、5を足して、
20ぐらいのものをつくり、
結局よく分からないものを初心者はつくる。
それは、最初の5が貧弱なのではないか、
という不安からだ。
最初の5に不安がある(そしてそれは表現の未熟ゆえに出来がよくない)から、
別の要素を足す。
それは、観客から見たら小さい要素が沢山ある、
小さなややこしいものの絡み合った糸屑でしかない。
最初の軸を残したまま、別の軸を貫こうとしてややこしい。
で、何がやりたいの?と言われておしまいだ。
最初の5の要素のままで、もっと出来のいい表現を考えるだけでいいのに。
出来のいい表現というのは、高尚とか工夫とかではない。
感情が揺さぶられる表現のことだ。
要素は削ぎ落とせ。
感情は増幅せよ。
これが表現の基本だ。
つまり感情が丸裸になる。これは初心者にはこわい。
しかし観客から見れば、複雑な感情より、ひとつの強い感情に支配される方が強い。
告白される側から見よう。
複雑で小さい要素の入り組んだ告白より、ひとつの感情を揺さぶる素晴らしい表現の方が強い。
たったひとつのこと、「抑圧の解放」を歌で表現するLet it goはその例だ。
これはAをAで表現する例で、基礎がいる。
AをBで表現してもよい。これは才能と教養がいる。
2014年06月13日
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