映画にもよるし、長さにもよるし、監督にもよるが、
おおむね、700から1000カット。
(いけちゃんとぼくは、たしか800以上。
ちなみにCMだと、15秒で10から12ぐらい)
この数字から、色々なことがわかる。
まず、設定厨はこの数字の前に無力だ。
面白い設定は勿論大事だし、
平凡で陳腐な設定など、面白い映画にあってはならない。
しかしそれが、舞台設定および人物設定だとしても、
それぞれ1カットあれば事足りるから、
せいぜい20カットで足りる、という計算になる。
残り680カットは、何を描いて過ごすつもりか。
つまり、変化しない静止画のようなものは、
変化することに残り680カットを使うのだ。
設定を大事にすることはいい。
その34倍の分量も、同等に大事にすべきことがある。
120分、800カットだとしたら、
1カットは平均9秒の計算になる。
(CMは12カットだとすると、1カット1秒1/4の計算)
短い芝居の1シーンは1分半ぐらいが多いから、
それは10カットぐらいで構成されている計算だ。
「7分半の悪魔」は、平均50カットで構成される計算だ。
実際、アクションシーンはカット割りが細かいので数字が変わる。
「いけちゃんとぼく」のクライマックス、
野球のシーンは試合は1分半で80ぐらいのカット割りをしている。
CM並みのテンポ感だ。
風魔のカメラマン、菊地さんは、1時間に6カット撮影が限界、
と言っていた。これは業界でも最速だと思う。
(CMでは、1カットに90分かけるのは遅い撮影ではない。
ハリウッドでは、1日20カット撮るマイケルベイが早撮りとして有名らしく、
数字の落差に唖然としたことがある)
1日8時間働くとして、移動なしで、
余裕を見て40カットが一日に撮れる分量だ。
(風魔メモにも書いたが、12、13話のアクションシーン泊まりロケでは、
朝から夜遅くまで、1日108カットを撮った。最終回撮影という気合いがなければ、
到底切り抜けられない数字だ)
休みが1日もないなら20日間で撮れる。
7日に1日休みを入れると、23日で撮れる。
実際は、一日に何ヵ所か移動して撮るので、
4週間かかって映画は撮影される。
あくまでも概算だ。現実には、予算がない、スケジュールがないといって、
1日18時間働いたりすることもある。
800カットだとしたら、
一幕を200、
二幕に400、
三幕に200の配分だろう。
実際には三幕のクライマックスでもっとカットを使うから、
200、300、300ぐらいの配分かも知れない。
それは、脚本内の緩急がどのように組んであるかで決まる。
特撮だけを別班に組んだり、
アクションだけを別班に組んだり、
風景だけを別班に組んだりする映画も多い。
それぞれの配分は、メイン監督が決める。
(特技監督が強い映画は、そっちがメインになるかもだ)
それぞれが予算を取り合う破目になるのは、どこの世界でも同じだ。
映画は、カットの積み重ねをモンタージュして、
ストーリーを語る芸術だ。
脚本家がカット割りの神髄を知らなければならない訳ではない。
ただ、最終的にそれらに撮影現場で分解されて、
編集室で再構成されるものであることは、知っておいたほうがよい。
2014年06月15日
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