2014年06月19日

ステージを想像せよ

三人称形式というのは、いつでもステージで出来るものである。
一人称形式はステージで出来ない。
(独白やナレーションを使えば出来ないこともないが、
それがメインになってしまう)
小説や漫画は一人で読むものだから一人称形式でも構わないが、
映画はステージで見るものだ。(DVD鑑賞は邪道としよう)

満場の観客が待っているステージを、いつも想像せよ。
あなたはそこに、台本一冊もって出て行くのだ。
演目は「面白いおはなし」である。


びびってはいけない。呑まれてもいけない。
あなたの思い込みで、観客をおいてけぼりにしてはいけない。
滑ってもいけない。途中でステージを降りることも許されない。
観客を楽しませ、唸らせ、泣かせ、爆笑させ、
最後には拍手喝采を受けるだけの、「面白い話」をしなければならない。


ステージ側から観客を見るのは、いい経験だ。
名作映画や名ステージを見ることがあれば、
ステージ側から観客を二時間眺めるような席を、支配人に交渉してみるのも悪くない。
そうでなければ、スクリーン右袖などにこっそり座るのもいいだろう。

演劇などの生ステージは、観客の顔が見えているからアドリブで調整できるが、
映画の台本はそうはいかないことを覚悟しよう。
大勢の観客が総体としてどう反応するか、その想像をすることは、
観客を見たこともなければ出来ないだろう。


いつ、
ばらばらな所からやってきて、ばらばらな目的を持って集まってきた観客が、
ざわざわした中から静かになるか、
いつ、静かになった観客が、物語の中に入っていくか。
いつ、物語の中に入った観客が、一体となって同じ感情を共有するか、
いつ、観客は飽きてくるか。

脚本を書きながら、ステージ側からの視線を意識出来れば、一人前だ。
posted by おおおかとしひこ at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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