2014年06月20日

テンプレのつづき:面白い映画とは

さて、では面白い映画とはなんだろうか。
前回のテンプレで、それを分析することができる。

まず、Aに当たるモチーフが面白いこと。
面白いとは、新しいことも含む。
どんなことをしてもいいから、新しく面白い話をまずつくる。


次に、Cであるテーマが面白いことだ。

どこかで聞いたような、どうでもいい道徳の本のような、
そんなものは新しくも面白くもない。
ここが斬新なものが、まず「テーマがいい」と呼ばれるものになる。
Aが最悪新しくなくても、Cが新しいものであると、「斬新なもの」になる。
(よく見る要素だけで、全く新しいことを語っている。
たとえば「ソウ」はそのようなものだった)

テーマは、テーゼの形をしている。
証明すべき定理の形だ。
「○○は△△である」という形式に書ける、新しいことだ。
これは、全く新しい概念を示す必要はない。
「たぶん正しいだろうけど、必ずしも真ではないこと」ぐらいのレベルがいい。
全く斬新なことでは、皆がついていけない。
出来れば「それが真だと、皆が信じたいこと」だと完璧だ。


人類に共通する、古いビッグテーマを選ぶのはおすすめできない。
正義は勝つ、母にありがとう、平和が大事、などだ。
それは、誰かがベストの解を既に出している可能性がある。
これらを更新するのは、よほど実力のある者だけだ。
「正義は勝つ」という古くからあるテーマを新しいものに見せるのは、
モチーフのAが新しく、解決のBが新しいときだけだ。
(「スター・ウォーズ」がSFXというAによって、これを更新した。
「マトリックス」でも同じことがおきた)


もちろん、モチーフとテーマは、見た目がまるで異なることがだいじだ。
「テーマをセリフに言わず、解決の手段にこめることが映画の文法である」
といっても過言ではない。



さて、この大岡式テンプレで、
色々な映画がなぜどうして名作なのかを分析出来るのではないだろうか。
その成果を、自作にも利用してほしい。
うまくいかないのなら、あなたか、大岡式のどちらかが間違っているかもだ。
posted by おおおかとしひこ at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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