2014年06月28日

おすすめの訓練の方法:数をこなす、三題話

30分ドラマとか、15分ドラマとか、3分ドラマとか、
短めのものを想定して、
プロットを数多く書くこと。
完結した本数が10以上。
出来れば、30、50、100本ぐらい。


それは、自分の中にどれだけネタがあるか、
ということを「全て」吐き出すトレーニングだ。
絵的なネタ、豆知識的なネタ、物語構造のネタ、台詞のネタ、
なんでも、全てを出しきるトレーニングだ。
(筋力トレーニングにたとえると、全力を出す系のトレーニング。
筋繊維を一回全部ちぎるほど、全クリアして、超回復させる)

ネタがなかったら、三題話を無理矢理100本書くのは、
いいトレーニングだ。

三題話とは、ランダムななるべく関係ないワードをみっつ選び、
「そのみっつを必ず使う」というルール内で、ストーリーをつくることだ。
元々創作落語の芸で、最後には笑いで落とすのだが、
コメディだけでなく、シリアスなもの、知的なもの、
ミステリーなどジャンルもの、など、
映画ドラマ形式であればなんでもよい。
ハッピーエンドに毎回ならなくてもいい。
テーマが明確にあっても、単なる小話でもよい。
ペラ一枚ぐらいに書くプロットがよい。
ストーリーそのものの面白さだけでなく、
みっつのワードの上手い使い方を競うことも出来るだろう。

三題話100本。
夏休みにどうぞ。初心者は5本が限界かも知れない。
10本書ければ、まあまあの実力だ。
夏休みに1日1本で40本出来れば、相当実力はあがる。
(1日2本でも100には届かない)
数をこなすほど、引き出しを書きながら増やす、
という経験も積めるだろう。

当たり前だが、
違う話を書くということは、
登場人物も、事件も、展開も、落ちも、全て異なるということだ。
シリーズは不可。全部違う話であること。

自分の中の得意な型、下手な型が、
数をこなすことで分かってくる。
ある程度出来たら、これは落ちまでいつもの感じいけるわ、
ということが分かるようになる。
そのパターンにはめる為に、前段を考えることが出来るようになる。

逆に、数をこなすことは、
新たなパターン開発の可能性に触れることでもある。
世の中にはいくらでもバラエティーがある。
そのバラエティーの一部でも身につけるチャンスだ。
誰でも最初は真似からはじめる。
ホラーを書いたことがないなら、ホラーを1本、
構成に凝ったことがないなら、構成でびっくりするのを1本。
主人公が人間じゃないの、ワンシーンもの、どんでん返しもの、
泣けるやつ、女(男)しか出てこない話、時代劇、ロードムービー、ビターエンド、
順目の王道話、逆目の奇想天外話、
低予算もの、湯水のように制作費が使える前提のもの、
いくらでも型は思い浮かべることは可能だ。
やったことないものをやってみるのは、
トレーニングとしては最適だ。

誰に見せるでもない、A4一枚の小宇宙を何枚積めるか。
自分だけのトレーニングである。
勿論、出来がよければ脚本化したっていいだろう。
小説化してもいい。
若いときは、そういう自主トレはオススメだ。



ここ半年ぐらいで、
一話完結型の30分もののプロットを、30話ほどつくった。
(とはいえシリーズものだけど)
企画書とともに、某所へ持ち込む予定だ。
30本もつくると、自分の得意不得意がはっきりと輪郭を持って現れる。
それを作家性というのなら、
自分の作家性を知るには、それぐらい書いてからの話だ。
posted by おおおかとしひこ at 16:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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