2014年08月08日

映画の料金システムの不思議

あなたは1800円払った映画料金のうち、
いくらぐらいが直接作った人に渡るべきだと思うだろうか。
観客と制作者の間には色々な人がいるから、
全額制作者にいかないことぐらいは想像出来るだろう。
僕は、1000円ぐらいは制作者にいくべきだと思う。


シネコン映画館が、興業収入のざっくり半分もっていくらしい。
10億の興業収入なら、5億は映画館がとる。
仮に制作費10億の大作を撮ったら、
20億の興業収入で、制作費がプラマイなのだそうだ。
22億の興業収入でプラス1億で、
18億の興業収入ならマイナス1億の赤字だそうな。

制作委員会方式は、様々な投資会社の集合体だ。
興業収入から映画館の取り分を引き、
残り半分から制作費を引き、
残ったものが利益である。
これを制作委員会で分配する。
プラス1億の利益を5社で均等に割れば2000万だ。

10億あつめて、22億興業収入があって、利益は2000万だ。
大ヒット30億の興業収入でようやく利益は1億だ。
10億の制作費分の素人目にはトントンの興業収入なら、1億の大赤字、
5億の興業収入なら1.5億の大赤字だ。
制作委員会は、赤字のリスクも分散するが、黒字のリターンも少なくする。


これじゃ制作会社が儲からなくて当たり前だ。
ただでさえ、映画というものは当たり外れの大きい商売だ。
もっと制作会社が儲かる仕組みにするべきだ。
儲かるからこそ競争原理がはたらき、自由競争があり、
質が上がるはずだ。
儲かるからこそ、斬新な企画にも投資できる。

ちなみに、制作会社にいる人たちはプロデューサーという人たちだけで、
監督やカメラマンや脚本家や役者やその他スタッフは、
制作費の中での規定ギャラで働いている。
いくら映画が興業収入を稼いでも、
最初にもらったギャラでおしまいだ。
(例外的に、監督と脚本家だけ、興業後の二次利用で著作権が発生する。
漫画家の著作権は10%だが、監督と脚本家は1.75%だ)



我々の1800円は、900円は映画館の維持費と人件費に消えていく。
制作委員会が5社あるとすると、720円は投資会社にバックされ、
180円しか、作った人に払っていない計算だ。

これはとてもおかしい。
僕は観客として、1800円のうち1000円ぐらいは作った人に払いたい。


あまりにもざっくりすぎる計算なので、
間違っていたらどなたか教えてください。
(計算を多少追記。料理の席料や作った人に還元される金額などを知っている人がいたら、
それも比較してみたいところ)
posted by おおおかとしひこ at 02:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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