作劇力。
キャラ造型力。
台詞力。
リズム感。
リライト力。
客観性。
の6つ、としてみるとしよう。
作劇力。
新しいお話をつくる力。
興味深い事件を創作し、興味深い解決の展開をつくり、
興味深い結末をつくれる力。
様々なストーリーラインの絡み合いや、
スリリングな展開や、
どんでん返しが出来る力。
複雑な状況を同時進行させたり、
複数の人の内面についてもコントロールできる力。
また、人間の内面に深く切り込み、
それらの話と巧みに混ぜ、人の変化を外的物語で表現する、
創作の出来る力。
そしてそれが、新しいテーマを語るような、新しい名作を生み出す力。
物語の構造への広くて深い知識、
古今東西の名作への広くて深い知識、
人間や社会への広くて深い知識、
新奇な世界のことへの広い興味や知識、
などがベースに必要だと思う。
キャラ造型力。
面白いキャラクターを創作する力。
面白いキャラクターの組み合わせを創作する力。
ストーリーだけでも、キャラクターだけでも、
物語は面白くない。
とくに脚本に必要なのは、外見のデザインではなく、
内面のデザインだ。
主義や哲学、信条、好み、性格、外面と真の姿の違い、過去、秘密、美学、性癖、
リアクションや行動の様式、予測のつかないことへの反応、
などなど、人間への深い理解に基づき、
リアリティー溢れる、魅力的な人間像をつくれる力。
それらがどう違い、どう組合わさるかを考える力。
台詞力。
キャラ造型力には含まず、独立させた。
台詞が魅力的でなければ、
それはただの無味乾燥な記録映画だ。
ヒリヒリするリアリティーや、魅力的な内面の吐露や、
詩的な思いや、ズバリとした物言いなど、
台詞の進行は映画の華である。
脚本の半分以上、モノによっては9割は台詞が占める。
これに魅力のない脚本は、大抵詰まらない。
リズム感。
小説や漫画など、リアルタイム時間で流れないものには不要かも知れない。
言葉のリズムや画面のリズムが、
リアルタイム時間で進むものの魅力のひとつになるのは当然だ。
また、「意味のリズム」は非常に大事だ。
物事をどう認識させていくと分かりやすいかは、
意味のリズムがとても良いものだ。
リズムがいいものは、心地よさを生む。
脚本が1ページ1分という形式で書かれることには、意味がある。
全体をどのようなリズムで書くかが、問われているのだ。
リライト力。
構成を入れ換えたり、本質を入れ換えたり出来る力。
パズルに僕はたとえることもある。
本質を失うことなくディテールをまるで変えたり、
ディテールは大して変わっていないのに、本質がまるで変わるように、
書き換えようと思い、その通りに書き換えられる力。
今現状のものの本質やディテールを、きちんと見定める力も重要だ。
リライトで最も難しいのは、
「いまいちなものを良くすること」だ。(そして最も多い)
大抵、代わり映えのないリライトしかできない。
悪くなっていくことすらある。
どう良くないのか、良いとはどういうことか、
それはどう直せばよいのか、全てが的確でない限り、
リライトはうまくいかない。
それを、自覚的に実行できる力。
客観性。
なるべく多くの立場に立てる力。
各キャラクターの立場。
観客の立場。老若男女の立場。
スタッフの立場。
同じジャンルのほかの映画の立場。
古今東西の映画の立場。
他の物語ジャンルの立場。
他の芸術の立場。
他の娯楽の立場。
他の国や人種や文化の立場。
これらは基礎能力だ。ある程度鍛えることは出来る。
これに属さない、鍛えられないたったひとつの力がある。
独創性だ。
天才は独創性があるから、ときにこれらの基礎能力がなくても名作を生む。
どんなに基礎能力があっても、独創性がなければ名作は生まれない。
しかし、真の名作は、基礎能力のしっかりした土台に、
独創性の花が咲いたものだと思う。
自らの力をチェックせよ。
長所短所を把握し、長所を伸ばし、短所を鍛えよ。
2014年08月22日
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