昨日は多摩川花火大会だったが、
1時間のショウの中に、明確な三幕構成があって、
なかなかの発見だった。
オープニング:
小さい玉ながら、一気に連発し、これからの期待を高める
第一ターニングポイント:(15分)
中くらいのしだれ柳連発、待ってました!の感じ
第二幕:
変わり種の連発。
ハートや星やニコちゃんマークやアルファベット(M、A、Y)
などをオカズに、新作花火を見せていく。
今年の新作目玉は、
縦に三色(イタリア国旗、フランス国旗)、
同心円で5色、
左半分→右半分→左半分→右半分と点滅するやつ
(点滅の周期を左右半分ずつずらす)、
あたりであったようだ。
これらを第一幕で見せたオーソドックスなものに対して、
アンチテーゼとして見せていく。
とくにミッドポイント(36分あたり)での、
巨大玉の左右半分ずつのヤツは見事だった。
あとは何でもありで、二幕後半を引っ張る。
玉の大きさも大が増えていく。
第二ターニングポイント(42分)に、
5色同心円の巨大玉をどーんとうった。
第三幕:
ちょっとだれたかな。
盛り上がりが散発的だった。
もう少し怒涛にしてほしかった。
大玉、巨大玉の連発は期待どおり。
そしていつものように、オーラスは巨大玉のしだれ柳連発。
ああ日本の夏であることよ。
大きく言うと、
第一幕:小玉、中玉中心のオーソドックスなもの
第二幕:小中大をつかいわけ、
オーソドックス少なめ、変わり種、新作の見せ場を中心に
第三幕:オーソドックスな大玉中心に怒涛の巨大玉をクライマックスに
のような構成だ。
一二三幕を、序破急で考えてもいいかも知れない。
序で世界設定(この世界をどう楽しませるかの基本を見せる)をし、
破でその逆で楽しませ、
急で一気に二つを昇華するようにする。
しかも、玉の数は徐々に大きくしていく。
単調に増えていくのではなく、緩急のリズムをつくりながら。
1時間のショウだから、
タイムを倍がけすれば、2時間の三幕構成のタイムにほぼ一致することが見てとれる。
三幕がだれたかな、という印象も、三幕がやや長いというタイムから明らかだ。
さて。
これはリアルタイム時間のショウの鉄則かも知れない。
三幕構成のタイム、そこで何が起こるか。
まだまだ夏の花火大会はどこかであるかも知れない。
見る機会があれば、時計を見ながら、
気持ちのよい構成(俺らの気持ちがどう盛り上がっているか)
について考えるべきである。
ちなみに僕は等々力あたりの多摩川土手でみた。
グラウンドに見物客が沢山座ってて、
盛り上がりには拍手が湧く。
分りやすいリアクションは、盛り上がり曲線を考えやすい。
リアルタイム時間のショウには、
必ずテンポの構成がある。
良くできたものには、三幕構成や序破急構成がある。
あなたもプロを目指すのなら、
そのショウの脚本(いつに何が起こるか)について、
考えを巡らせるべきである。
そして、全然関係ない分野によく触れることだ。
ちなみに多摩川花火のオススメのコースは、
田園調布から川原に出て、
そのまま開始とともに土手の上(普段は車道だがこの日だけは歩行者天国)
をそぞろ歩きしながら二子玉に歩いていくコースだ。
遠くの花火が盛り上がりとともに近くなってゆくので、
より迫力が増す。
一時間もあるけば二子玉付近なので、ちょうどいい。
川原で座ってビールとつまみもいいけどね。
2014年08月24日
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