ちょっと計算してみて、びっくりしたので書いてみる。
30分もののシナリオを考えよう。
CMやらOPやらEDなどをのぞくと、本編は22分程度だ。
計算を楽にする為に、25分と見積もろう。
この1クール分13話ぶんの文字数は。
(ドラマ「風魔の小次郎」を想像してみよう)
プロのシナリオは、
原稿用紙1枚で1分相当のフォーマットで書かれる。
つまり1話25枚相当、1万字だ。
従って25×13の、325枚相当、13万字である。
文庫一冊の標準的な文字数は、250枚、10万字という。
つまり。
30分1クールという(我々にとっては相当の分量の)長さは、
ちょっと分厚い文庫本程度なのだ。
(最近予算削減で10話で終わるものも増えたから、ビタで文庫本)
かなりのびっくり数字だ。
(我々がよく見る60分ドラマは、実は本編45分である。
1クール13話フルとして、45×13の585枚、23万4000字と、
文庫二冊サイズになる)
僕は「風魔の小次郎」をつくるのに物凄い苦労したが、
その全部のシナリオを結集して、
シナリオ本として刊行しても、ちょっと厚い文庫本一冊におさまるのだ。
小説家すげえよ。
小説家そんなに書くのかよ。
30分1クールを全部見るには、6時間強の時間がかかる。
一方ちょっと厚い文庫本を読むのも、そう変わらない時間だ。
(もっと早い人も遅い人もいるから、平均そんなものと考える)
乱暴にいえば、風魔13話ぶんの内容と同じ分量が、
小説一冊の内容だ。
単純な文字数の話をしている。
映像のシナリオというものは、
極限まで無駄をなくし、
スムーズでリアルタイムな楽しみになるように書かれる。
小説は、もっと(シナリオから見て)無駄を書いてもいい。
文章で表現しうる最も大きい意味空間を書くことが出来る。
その違いを考えても、その文字数はほぼ同じというのだ。
内容はどちらが深く濃くなるだろう。
その比較はナンセンスだが、両者の違いを考える上で、
思考停止しないほうがよい。
多分、プロットの手数(起こること、行動、段取り)は、
シナリオの方が多い。
従って登場人物数も、シナリオの方が多い。
描く深さや内面の豊かさは、小説の方が深そうだ。
カタルシスは。伏線は。
逆に、小説の映像化に潜む問題点。
色々なことが考えられそうだ。
まとめ。
ちょっと厚い文庫本一冊の小説は、
映画3〜4本分と、30分ドラマ13話に文字数が等しい。
小説家すごくね?
2014年08月29日
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