2014年09月09日

頭の中に場面はないのか(場面しか思いつかない4)

では、実際の脚本家の頭の中には場面はないのだろうか。
脚本家の頭の中は、理屈だけなのだろうか。
いや、頭の中に場面はある。
しかし、ストーリーが先にあるだけで、
それに付随して、絵本の挿絵のように、一枚絵が浮かぶのだ。

プロットを練る段階では、そのような一枚絵が浮かぶこともある。
それでシーンを記憶して「場面」とし、
それらを並べることで全体のイメージをつかむことはよくある。
場面は静止画だが、意味は動画だ。
つまりサムネイル代わりに使うのだ。

また執筆中は、頭の中に映像が浮かび、
それを記録するように書いていくこともある。
それは「場面」をリアルタイムで動かしているような感覚である。
小説では特に三次元空間がリアルタイムで動くような、
時間軸を付加した四次元空間をイメージすることもある。

映画が視覚芸術であり、お話が世界での体験である以上、
頭の中に視覚イメージが湧かないことはありえない。

しかしそれは、お話の正体ではない。
posted by おおおかとしひこ at 18:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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