2014年10月14日

序盤のペース

これをつかむことは本当に難しい。
テンポ良く行っているのか、
展開が早すぎるのか、
それともダラダラして退屈されているのか、
本当には分からない。


観客がその場にいれば、
その場でペースを変えながら話をすることは可能だ。
受けたところは引き伸ばしたり、
受けてないところは飛ばしたり、
分かりにくいところはじっくりやって分からせたり、
細かいところはどうでもいいんやと勢いでねじ伏せたりすることが出来る。

が、編集される前提の、撮影される前提の、
脚本の状態では、そこまで予測することはなかなか困難だ。

とくに、全員が作品のペースが掴める前の、
序盤のペースを決める、決め手はない。

しかし、逆に考えればいい。
全員が、作品のペースを掴もうとしている、
と考えるといい。
誰もが、自分のリズムを、作品のリズムに合わせようとしている途中、
と序盤を考えるといい。

退屈ではなく、ある種のつかみ(これは退屈ではない、
見る価値のありそうな、期待できそうな作品である)があれば、
全ての観客は、ペースを合わせてくれるのだ。
逆に、作品のリズムはそうそう変えてはならない。
変拍子の曲のように、ギクシャクしてしまう。
(何日もかけて書くのが前提の脚本は、必ず日々にムラがある為、
リズムが一定しないことが多い。
リライトの際、リズムやペースについても、気を配ろう)
勿論、じっくり見たいところはペースを落とし、
勢いや刺激の欲しいところではアップテンポになるのは当然だ。

が、まずは基調ペースというものがあり、
それに慣れてもらう、というように序盤をとらえてみよう。

僕はそれはファーストロール、つまり最初の15分ぐらいだと思う。
そこに詰め込みすぎず、スカスカすぎずであれば、
その情報量のペースが、以後のペースの基準になると思う。
(つくづく最初の15分は困難だ。
世界や事件や主人公の渇きを示しつつ、感情移入させて、
なおかつペースメーカーにならなければならない。
しかも、つかみがうまくいっていないとダメだ。
凄く良いファーストロールを書くのは、よほどの名人芸か、
何度もリライトした上での、改めて最初の15分を一気に書き直す、
という方法論しかないのではないかと思う)

人付き合いと同じである。
最初は、誰もが探り探りだ。
そのうち、噛み合ってくる。

噛み合うまで本気を出さず、まずはジャブである。
噛み合ってきたら、ストレートやフックなどの、本格的パンチの出番だ。
ジャブ、ジャブ、ストレート、という古典的なテンポには意味がある。
ジャブ二発でペースを掴み、三発目でまず勝負の一発目を出せ、
ということである。三発目が、噛み合うかどうかの勘所だ。
逆に、それまでは、ジャブを二発まで打てる。


ジャブを二発打つまで30分以上かかったり、
ジャブを打たずストレートから入るのは、
いずれもペースをどこかで失うだろう。
人付き合いのペース、と考えるといいかも知れない。
posted by おおおかとしひこ at 09:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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