面白い話ってどういうことだろう、
と、考えれば考えるほどドツボにはまる。
ある面白いと思った話があるとき、
どこが面白いのか言葉にしてみることは、訓練になる。
ここで言う面白いとは、ギャグで笑える以外も含む。
興味を引かれる、良いと思う、ぐらいの大きな意味でのgoodだ。
僕の思う面白さを羅列してみる。
新しい、見たことのないビジュアル。
デザインのよさ、画面の美しさ。
シチュエーションの面白さ、何か新しい面白そうなことが待っていそうな。
奇抜、新規、インパクト。
一方で、定番っぽさ。
外れなさそう、つまり、テーマがしっかりしていて、
本格的なストーリーであること。
ただインパクトだけでない、ずれていないこと。
事件の魅力。
新しいパターンで、気になり、結末や展開が知りたくなること。
何かが現代社会を痛烈に風刺していること。
事件や解決法や世界観などに多い。
スピード感があること。一方でゆったりしたムードもあること。
つまりは、リズムがいいこと。
扱うテーマの深さ。
人生の一部を巧みにとらえ、結末や問題提起に深い感銘を受けること。
ああこういうことよくあるわあ、と思うこと。
主人公への深い感情移入。
登場人物の面白さ。
人間的魅力、決断の見事さ、哲学の面白さ、
いい台詞。
一切破綻や無理や無駄のない、完璧に計算された話であること。
一方安易な予定調和を馬鹿にし、振り切る、破調。
痛快さ。不快を全ひっくり返しすること。
結末の見事さ。落ちの良さ。
感動。胸があつくなる。じんとくる。号泣。
立てないくらいの感銘を受ける。
知的興奮。新しいことを知ることの面白さ。
世界が広がる気持ち良さ。
あることについての別解を知る面白さ。
そこだ!いけ!と思える瞬間。
決めて欲しい場面でスカッと決めること。
大爆笑。笑い。人間の愚かしさへの笑い。
ブラックユーモア。くすりと笑えること。緊張の弛緩。
緊張する面白さ。あとに退けない緊張。
恐怖。驚き。驚愕。スリル。
悲哀。悲劇。皮肉的な結末。
人生の虚しさ。諸行無常。
新しい謎。その解明の気持ち良さ。
粋な感じ。クールな感じ。
人情味溢れる感じ。優しい感じ。
辛い感じ。人間の尊厳を踏みにじる感じ。
リアリティー。逆に、空想的な面白さ。
もう苦労しなくていいよ、という誘惑。
愛に溢れる感じ。
ショック。衝撃。理不尽。
憧れの場面。
人の暗部の面白さ。ダークな内容、ニヒルな内容。
しょせん悪が勝つ感じ。だまし騙されること。
自分の正しさが試されること。
わいわいやる楽しさ。
孤独。
展開の意外さ、期待に応える展開。
意外な落ち、どんでん返し。逆に納得する落ち。
対比的な面白さ。
他人の不幸。
ハッピーエンド。バッドエンド。ビターエンド。
カタルシス。
思いつくまま、色々と書いてみた。
これが全部ではないだろう。
ペアになっているものもある。
ひとつの作品がいくつもの、何層もの面白さを持っていることは、当然だ。
要素によって強弱もあるだろう。
その面白さの要素が、
バラバラでなく渾然一体となっていることが、
作品がひとつの宇宙を持っていることだ。
おもしろいってどういうことか、
考えれば考えるほど分からなくなる。
今書いているものの何が面白いのか、
時々引いて眺めてみよう。
○○の面白さが、確かにあればそれはその作品の軸足になる。
それベースで、他に何の面白さを足し引きして、
ひとつの作品世界にしていけばいいかを考えよう。
料理でいえば、時たま味見をして、
ベースのダシをよりよくして、
○○を入れてみよう、○○が足りない、○○を入れたのは失敗だった、
という感覚に似ていると思う。
ひとつの鍋ではなく、複数の皿を順番に出す時間軸を持った料理だけど。
味覚が鋭い料理人のように、
味見をして、成分をマトリックスのように抽出し、
足すべきスパイスや引くべき要素を判断出来るようになろう。
料理人の舌が肥えているように、
あなたは、面白さの種類を沢山知っておくことだ。
2014年10月14日
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