クライマックスの決め台詞は、とても悩む。
なるべく短い、スパッと決まるやつがいい。
話の目的やテイストに応じ、
スカッとするものや、号泣するものや、暖かくなるものや、
爆笑できるものや、なるほど!と膝を打つもので、
なおかつ物語を全て包括するカタルシスがあるのがベストだ。
僕はこれでも台詞が得意なほうだと思うが、
それでも台詞にはさんざん悩むし、
特に決め台詞は何度も書き直すことがある。
ここの場所が決め台詞だと思っていたら、
案外違う場所がヤマだったりして、
何度もぶれることもある。
クライマックスの決め台詞は、
それまでの「全て」を包括したいものだ。
それを一発で短く決めることが難しいのだ。
実は、ヒントは第一幕にある。
それまでの全ては、そもそも何からはじまった一連か、
ということを考えるとよい。
人間は、あるまとまりのある時間を考えるとき、
3番目に起こったことから考え始めない。
必ず最初から考える。
つまり、それを思い出すときに最初に思うことが、
はじまりの一点なのだ。
勿論、途中途中の印象的なことをパッと思い出すこともあるが、
落ち着いてじっくり考えようとすると、
やはり最初の場面から出てくるものである。
つまり、「これまでの全てのこと」は、
第一幕からはじまっている、その「はじまり」で象徴出来るのだ。
だから、クライマックスの決め台詞は、
第一幕のその部分に触れた台詞にすると、
決まりやすい。
(詰まらない4コマを面白くする方法と同じだ。
最初と関係することを落ちに持ってくるという法則だ)
今書いている話で、
それなりに良い、クライマックスの決め台詞が書けていた。
しかし、その場面では決まったような気がするものの、
最初から読んだ流れでは、ちょっと迎えにいきすぎだなあ、と感じていた。
そこで、シンプルに「うん」と、たった一言で語り、
あとは想像させるテクニックを使ってみた。
悪くないが、やはり最初から読んだときに物足りなかった。
三度目の正直で、直接クライマックスには関連していないが、
問題が明らかになった第一幕の台詞を応用することを思い付いた。
すると、第一幕とクライマックスが上手く連動し、
これまでの全てを包括する、決め台詞になったのだ。
これを他人から見たら、
第一幕からラストに伏線を巧みに張っていたように見えるだろう。
実際は、第一幕を、利用しただけだ。
あとで関連付けることで、よりまとまりを強めただけだ。
つまり、第一幕の台詞を利用してクライマックスの決め台詞にすると、
話のまとまりがとてもよくなるのである。
これは経験則だ。困ったときに思い出すと良い。
2014年10月15日
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